1967年4月9日、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』の最終回として第39話「さらばウルトラマン」が放送されました。これまで数々の怪獣を倒してきたウルトラマンが、本エピソードでは怪獣に倒されてしまうのです。当時の子どもたちに大きな衝撃を与えた最終話から、私たちは何を学んだのでしょうか。
本エピソードは、宇宙から円盤群が飛来し、科学特捜隊日本支部やウルトラマンを攻撃しようとするところから始まります。科特隊の隊員が迎撃すべく出動すると、手薄になった日本支部が内部から破壊されてしまうのです。さらに大型の円盤から宇宙恐竜・ゼットンが現れ、日本支部に襲いかかります。
主人公・ハヤタは、ゼットンに対抗しようとウルトラマンに変身し、戦いに挑みます。しかし、これまでの怪獣には通用したウルトラマンの攻撃が、ゼットンには全く通用しません。拘束しようと放ったキャッチ・リングを破壊し、ウルトラスラッシュもバリアで弾かれてしまうのです。頼みの綱のスペシウム光線も通用せず、ゼットンの猛攻によりウルトラマンはカラータイマーを破壊され、倒されてしまいます。
ウルトラマンが倒され、絶体絶命かと思われたのですが、科特隊の岩本博士が発明した「無重力弾」が救世主となるのです。科特隊の隊員によって放たれた無重力弾が命中すると、ゼットンは空中に浮かび上がり粉砕されました。
最終話でウルトラマンが倒されてしまう理由について、視聴者は各々の解釈をしています。まず声があがっていたのが「地球は地球人が守らなければならない」というものです。大切なものを守りたいのであれば、人の力に頼るのではなく、力を付けて自分で守らなければならないという解釈はネット上で多くあがっています。
また「ヒーローといえども無敵ではない」との声もあがっていました。誰だって負けることがあるというメッセージは、人にも自分にも完璧を求めすぎてはいけないということを伝えたかったのではないでしょうか。
全く技の通用しない相手に立ち向かうウルトラマンを見て「自分ができる精一杯をやる大切さ」を、感じた人もいます。人は自分の持っているものが通用しない時、逃げ出したくなることもあるでしょう。それでも何かできないかと思い、諦めずに行動する大事さをウルトラマンは伝えたかったのかもしれません。
一方で、「世の中には理不尽なことは起こる」ことを学んだという声もありました。これまで無敵のヒーローだったウルトラマンが敗北するなんて、こんなに理不尽なことはないでしょう。しかし社会に出れば、思い通りにならず理不尽さに負けそうなことは起こります。科特隊の隊員たちのように、理不尽に負けずに打開策を考えることが重要です。
このように『ウルトラマン』最終話にはさまざまな解釈が存在します。あなた自身は、この最終話にどのようなものを感じたでしょうか。ウルトラマンが倒された日に、このエピソードを視聴し、どのような解釈ができるか考えてみるのはいかがでしょうか。