「イヤホンしたまま改札口へ来て無言でICカードだけ出すのは止めて欲しい。何をして欲しいか分かりません」ーー鉄道会社に勤務する男性の嘆きがSNS上で注目を集めています。Xに投稿したのは、現役の鉄道マン「鉄道会社は辞めるな君」(@tetsudo_yameru)さん。これまでに駅係員や運転士の経験があり、現在はDX推進の業務に従事しています。男性に話を聞きました。
意思疎通できず…たびたびトラブルに
男性によると、駅員のいる改札口まで来て、イヤホンをしたまま何の説明もせずに、ただただICカードを差し出すだけの利用客は「若年層に多いです。20〜30代の男女問わずです」。
改札にタッチしてエラーになったのか、間違えて入場したので外に出たいのか。さまざまな事情が考えられるのに、用件を言葉で伝えようとしない上、イヤホンを外さないから意思の疎通も図れないといいます。用件を聞き出すまでにひと苦労。余計な時間もかかります。
「接客をする立場からすれば、イヤホン着用の利用者と意思疎通を図ることが困難であるケースが多々ございます。これが原因で同僚がトラブルに巻き込まれている場面にたびたび遭遇しております」
SNS上では「イヤホンをしたままでも外の音は聞こえる」といった主張もありましたが、男性は「現在のイヤホンは、外音取り込み機能が搭載されており、イヤホンをしている状態でも外部の音を聞き取ることが可能であると存じております」。その上で男性は、そもそも人に何かをお願いするのだから、イヤホンを外して事情を説明するのが筋ではないのかーーと投げかけます。
男性は、「仮に自分が話をしている際に、イヤホンを外さずに聞いている友人がいたら非常に不快に感じると思います。『自分が同じことをされたらどのように感じるのか』相手の気持ちを汲み取って考えて行動することで、より生きやすい社会になるのではないかと考えております」と相手の立場に身を置くことの大切さを訴えました。
有吉さんも怒り…接客業では「あるある」?
男性が投稿したのは昨年12月。駅係員時代の体験をふと思い出し、自身のSNSに不満をぶつけたところ、長期間に渡り拡散。約3カ月でインプレッション数は1200万超、コメントは500件以上寄せられるほどの反響の大きさになりました。
SNSユーザーからは「つけたまま無言だなんて理解できない」「駅員さんに同情する」などの声が寄せられたほか、小売店のレジ担当者やタクシーの運転手、空港職員などからは、「これわかります」「ありますね」「あるあるですね」「まずはイヤホン外して、何をして欲しいか言って欲しい」「何かが欠落している人が増えた」「大声で用件を尋ねたら逆ギレされたことがあります」などの声が上がっています。
実は同様の嘆きは接客の現場では以前からあるようで、これまでにも複数の人たちがたびたび問題提起してきました。
中には有名人の声も。
タレントの有吉弘行さんは2019年、自身が司会を務めるテレビ番組の中で、イヤホンをしたままコンビニの会計をしてもらう利用客に対し、心の中で「(イヤホンを)取れよ!」と憤った経験を語りました。イヤホンを取らずに、店員さんの質問を何度も聞き返す姿に怒りを覚えたと明かしています。