意外に勝っていない!?…漫画『キン肉マン』のアシュラマンは、“身分に相応しい強さ”の持ち主なのか

海川 まこと 海川 まこと

2024年夏アニメの注目作といえば、2006年放送の『キン肉マンII世アルティメットマッスル2』以来、18年ぶりの新作アニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編の名前があがるでしょう。この新作アニメで『キン肉マン』ファンである筆者は、アシュラマンが原作どおり登場するのか注目しています。

アシュラマンは「魔界のプリンス」と呼ばれ、6本の腕が生えた姿はまるでゲームのラスボスのような存在感です。そんなアシュラマンですが、実は戦いの成績はあまり良くありません。

彼の最初の戦いは、コミックス14巻「地獄の二重構造!! の巻」から描かれたテリーマン戦です。正義超人のなかでもトップレベルの実力を持つテリーマンを相手に、アシュラマンは6本の腕を使った攻撃で圧倒します。キン肉マンの必殺技である「キン肉バスター」に似た「阿修羅バスター」でテリーマンを追い詰めるのでした。

その後も、アシュラマンはテリーマンの両腕を奪って苦しめるも、死んだはずのバッファローマンの妨害もあり、テリーマンを倒しきれません。最後は場外でテリーマンともつれ合い、両者リングアウトで勝負は引き分けになります。

終始試合を有利に進めていながらも勝利を掴めないアシュラマンの運命は、もしかしたらこの戦いで決定づけられたのかもしれません。

またコミックス17巻から始まる夢の超人タッグ編で、アシュラマンはサンシャインとタッグを組んでトーナメント戦に参加します。アシュラマンたちは、準決勝でキン肉マンとキン肉マン・グレートのコンビ「マッスル・ブラザーズ」と対戦。

自分たちの必殺技である「地獄のコンビネーション」を逆にかけられるなど、アシュラマンたちは苦戦します。それでも「魔界のクソ力」を発揮して、自らを奮い立たせてなんとか立ちあがるのでした。しかし、善戦空しく最後はマッスル・ブラザーズの必殺技「マッスルドッキング」の前に敗北してしまいます。

しかも試合後には、この大会に出場していたヘル・ミッショネルズの「クロス・ボンバー」によってマスクを剥がされ、素顔を晒されてしまうのです。試合には負けて、さらにほぼ無抵抗でマスクを剥がされてしまったアシュラマンに対して、当時の筆者は、没落した魔界のプリンスへの憐れみを感じた記憶があります。

続くシリーズキン肉星王位争奪編では、アシュラマンはかつての師匠であるサタンクロスとのシングルマッチに挑みます。コミックス27巻「パーフェクト勝利宣言!!の巻」から始まった戦いで、アシュラマンは相手がかつての師であることを知り、攻めきることができません。ここまでの戦いで見せた相手を見下すような仕草は影を潜め、弱気にすら見える戦いぶりです。

しかし正義超人の力に目覚めたアシュラマンは、反撃を開始。逆さになった相手の両足に、両ひざを乗せて地面に叩きつける技「稲綱落とし」を進化させ、横向きに放ちます。縦向きの時には、上下をひっくり返して技を破っていたサタンクロスも、横向けになるとひっくり返せず、技を破ることができません。

サタンクロスは自らの体に寄生している寄生虫をクッションにして、技の威力を軽減させますが大ダメージを負います。最後はお互い消耗しきってしまい両者ノックアウトの引き分けとなりました。

アシュラマンの戦いぶりを振り返ると、勝利よりも敗北や引き分けが多い結果です。ただ、魔界のプリンスであるがゆえに常に強者との戦いに臨んでいたのも理由だと考えられます。アニメの新シリーズでは、明快な勝利シーンが見られるのを楽しみにしています。

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