チューブ入りじゃない軟膏、実は手作りのオーダーメイド!
ーー反響がすごいですね!調剤薬局で処方される軟膏は、こうした作り方が一般的なのですか?
「処方するドクターによって配分や量が違ってくるので、言わばこういったオーダーメイドになります。また、場合によっては配合してはいけない組み合わせなどもあるので、そこもきちんと確認しています」
ーー単に混ぜ合わせるだけではないんですね。手作業以外の方法はないんですか?
「軟膏を自動で混ぜる機械もありますが、機械が高価なので導入していない店舗もあるかと。近くに皮膚科がある薬局でしたらほとんどありますが、あまり軟膏の処方が来ない立地の調剤薬局でしたら、ないところが多いかと思いますよ」
ーーなるほど。大体、軟膏を作るのにどれぐらいの時間がかかるんですか?
「軟膏を作るとき、多くて3種類ほどの薬剤を混ぜることがあり、ものによっては硬い軟膏があったり、機械が使えないものがあります。そうなると、機械がある薬局でも手作業で行うしかありません。機械を使用できるか、混ぜる種類と量にもよりますが、手動で2種類の軟膏を混ぜるとしたら、大体10分〜15分程度は掛かると思いますね」
ーー思っているより結構時間がかかる印象です!一人の患者さんが2種類の軟膏を処方されたとなると……30分!
「そうですね、コツというほどのものはなく慣れるしかない作業で、慣れていても時間は掛かりますから、処方に時間が掛かる場合は、受付された段階で、あらかじめお待たせすることをお伝えするようにしています」
あなたの処方された薬、それもオーダーメイドかも?!
ーーほかにも、その都度手作業でつくる薬はありますか?
「水剤といって子ども用のシロップなども、手作業となります。ほかにも、複数の薬を飲むタイミングごとに一つにまとめる『一包化』や『粉薬』も患者さんの処方箋ごとにつくるオーダーメイドなので、時間が掛かる作業です」
ーーそんなにオーダーメイドとなる薬があるとは!薬剤師の方は大忙しですね。待ち時間があることも納得です
「薬局が空いているように見えても、すでに処方箋がたくさん届いていたり、待合室で待たずに外出されている患者さんも多かったり。ですから、待っている人が少ないのに『えらく待たされる』と思っている方もいらっしゃると思うんですが、状況によってお待ちいただく時間が変わるので、ご理解いただけると嬉しいです」
丁寧にオーダーメイドで薬をつくってくださる薬剤師の方々に、イライラせずに待って「ありがとう」を伝えたいものです。
中野さんはXへの投稿に加え、市販薬を選ぶときに参考になるブログやYouTubeも配信中。
中野昇さん
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