雑草の中で荒い息をしていた茶白猫は、甘えん坊で遊びが大好きなお姫様に…でも多忙で不在がち「譲渡すべき?」

渡辺 陽 渡辺 陽

庭にたたずんでいた野良猫

リリィちゃん(1歳・メス)は、2023年10月、千葉県在住のももこさんに保護された。

ももこさんは、その日、夜勤明けで朝6時頃に帰宅した。帰宅すると、庭の雑草の中に茶白猫がいたという。

「生後6ヶ月くらいでした。息が荒く、状態が悪い事は明らかだったので、お水とご飯を用意して目の前に置いて、保護のタイミングを見計らっていました。でも、一向に食べず、移動してしまったので姿を見失いました」

ももこさんは、「他の人だったらもっと上手に保護できたかもしれない」と悔やみながら周辺を探した。しかし、リリィちゃんは見つからなかった。

その後、ももこさんが別のハチワレ猫を探していると、近所の人が二人で立ち話をしていたので、「ハチワレ猫を見なかった?」と尋ねると、二人は「茶白猫なら車のそばにいたわ」と言った。

「田舎なので、どんな野良猫がいるか地域の住民は知っています。その茶白猫は、見かけない子でした。迷子の可能性もありましたが、野良猫を子猫の時だけ可愛がるおじさんがいて、そこから追い出されて流れてきた可能性もあります。とにかく事情を抱えている猫であることは間違いありません。茶白ちゃんにご飯を差し出すと、よほどお腹が空いていたのでしょう、ニャーニャー鳴きながら食べました」

お転婆猫になる

ももこさんは、手で抱っこして茶白猫をキャリーに入れて保護した。その子がリリィちゃんだ。リリィちゃんは、キャリーの中でも夢中になって食べていた。

「数日後、見つからなかったハチワレ猫が車の下で無残な姿で見つかりました。人間の都合が良いように言えば、ハチワレが命と引き換えにリリィを助けたのかもしれないと思いました」

名前は、ハワイ語で「小さくて可愛い」という意味の言葉、「リリィ」にちなんでいる。その後、真菌にかかったり、風邪をひいたりして治療を繰り返したが、元気になった。

家には2匹の先住猫と預かりボランティアをしている猫がいたので、しばらくリリィちゃんを隔離したが「隔離期間中はサイレントニャーを良くしてくれました。抱っこも大好きで、子どものように私の首にしがみついてきてました。野良さんとは思えないほどの甘えん坊さんでした」。

リリィちゃんはとても遊びが大好きで1時間では足りないくらい。ももこさんが床に座りながら猫じゃらしで遊んでいると、頭上を飛び越えるほどジャンプしてオモチャを捕まえたり、他の子に体当たりしながら全力で遊ぶお転婆娘だ。

一方で「我が家はお留守番が長くて、仕事で疲れた日には十分遊んであげられません。リリィのストレスになっていないか心配しています」とももこさん。「仲良しの子がいるので、その子と一緒にいるのが良いのか、お留守番が短く沢山遊んでもらえる家庭に譲渡した方が良いのか…」。そう考えて一度譲渡したが、トライアル中に返された。

譲渡するのか家の子にするのか、まだわからない。それでも、今は遊ぶ時間をたくさん作るため、寄り道せず早く帰るようにしている。

「遊びが激しくて甘えん坊のリリィちゃん。楽しく暮らせるように道を照らしていきたいと思います」

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