ブタのバイクが公道を走る動画が話題です。ピンク色のブタが「ブブブブブ」とうなり声を上げながら道路を疾走しています。
X(旧Twitter)に動画が投稿されると、「トンでもないバイク」「かわいい」「これ公道走ってもいいやつ?」と驚きの声が上がりました。合法的に運転できるバイクなのでしょうか?バイクを改造したアール商店みかみ(@MwWnmwUOA9rb4W8)さんに聞きました。
ブタのバイクを作ったのは東京都八王子市にあるアール商店。原付バイクや自転車のパンク修理を手掛けるアール商店がなぜブタのバイクを作ったのでしょう?
「うちはパンク修理のほかに、FRP(繊維強化プラスチック)でディズニーランドの凝岩(岩の模型)やバイクのパーツを作っているんです。ブタのバイクのカウルは『売れるかな』と15年くらい前に作りました。発泡スチロールをブタの形に削って、石膏(せっこう)を塗ってブタバイクの型をとり、繊維強化プラスチックでブタのカウルができました。エンジンなどバイク内部はヤマハのジョグです」
ー売れましたか?
「イベントに出すと人がワァーっと集まって人気なんですけど、売れませんでした。全部手作りだから100万円くらいするんですけど、『100万円は高いな…』と敬遠されちゃう。テレビにも紹介されたんですけど、地元で『テレビに出てたね』とちょっと話題になっただけでした。売れないもんだから、バラバラに解体して、倉庫にしまっていたんです」
2年前に組み直し、Twitter(現X)にブタのバイクで走る動画や写真を発信すると、広く拡散され、「ナニコレめっちゃほしい!」「可愛カッコイイ」とバズりました。「15年前とは違って、『乗ってみたい!』といったリアルな声が届いています」と反響に驚く。
ウィンカーは蹄(ひずめ)の中、テールライトはシッポ。前を照らすライトはブタの鼻の中に入っている(その後、明るさ向上のためライトは頭上に移動)という凝りようです。「胴回りがハーレーより太いので、大股で乗る感じですね。シートを付けていないので、お尻はちょっと痛くなりやすいかな。加速は普通の原付とあまり変わらないですよ」と乗り心地を説明します。
さてこのバイク、公道を走ってもOKなのでしょうか?「バイクを組んだ15年前に車検場、警察、役所を回って確認したところ、OKでした。組み直した現在もパトカーや白バイの前を通ることがありますが、何も言われません」と言います。
手作りカスタムのため高額ですが、オーダーメイドで新たな動物バイクを作ることも可能です。「オーダーしていただければ、手作りで型から作ります」と話していました。
アール商店
東京都八王子市西寺方町661-3