「週刊少年ジャンプ」(集英社)『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)には、その実を食べた者にさまざまな特殊能力を授ける「悪魔の実」が登場します。もしも現実に悪魔の実が存在するとしたら、漫画の読者たちは何の実を食べたいと思っているのでしょうか。
ネット上にあげられた読者の声のなかで最も多く見られたのは「戦闘能力を手に入れたい」という声でした。そのリクエストに応えられる悪魔の実といえば、雷を自由に操ることができ、その気になれば国そのものを滅ぼしてしまえるほどの力を持つ「ゴロゴロの実」、悪魔の実の能力者と戦う際、相手の能力を無効化できる「ヤミヤミの実」などがあげられるでしょう。
「ゴロゴロの実」を食べたのは「空島編」で登場した敵キャラクター・エネルで、「ヤミヤミの実」を食べたのは黒ひげ海賊団提督のマーシャル・D・ティーチです。どちらのキャラクターも、ファンのあいだでは強敵として知られています。
また、せっかく悪魔の実を食べるのだから「外見も美しくなりたい」と願うファンの声も多く見受けられました。たとえば、物語の序盤に登場し、現在はバギーと行動をともにする女海賊・アルビダが食べた「スベスベの実」は、その名の通りお肌がスベスベになり、さらにルックスもよくなるという嬉しい副作用がついています。
あるいは、自分の容姿を右手で触れた相手のものに変えられる「マネマネの実」を活用するのもいいかもしれません。「こんな顔になりたい!」と思う人物に触れておけば、一時的ではありますが理想の外見になれるのです。
ちなみに、元王下七武海で海賊女帝の異名を持つボア・ハンコックが食べた「メロメロの実」は、相手を魅了する能力を得られるものの、コミックス105巻第1059話では、能力者本人が美貌の持ち主でないと力が発動しないことが明かされています。ハンコックは「世界一の美貌」ともうたわれる女性なので「メロメロの実」との相性がよかったのかもしれません。
現実を生きている読者の声のなかで多かったのが「日常生活を快適にしたい」という声です。嬉しいことに、そんな読者の声を満たす悪魔の実は多くあります。たとえば海軍本部大将のひとり、黄猿ことボルサリーノが食べた「ピカピカの実」は、光の速さで移動できるので、通勤や通学に便利なほか、空中を移動できるために満員電車に乗らなくてすみます。
さらに触れた者の傷を治せる「チユチユの実」を食べれば、病院代が節約できるかもしれません。「チユチユの実」の能力者であるトンタッタ族のマンシェリーは、その能力で多くのケガ人を治療していたことから、自分だけではなく多くの人の役にも立てることでしょう。
また若手の海賊達の中で、懸賞金額が1億ベリーを超える強者「超新星」のひとり、ファイアタンク海賊団の頭目カポネ・ギャング・ベッジが食べた「シロシロの実」は、自分の体内に無限のスペースを確保できます。これは容量無制限の収納を持っているようなもので、日常生活においてかなり役立つのではないでしょうか。
このように種類が豊富な悪魔の実は、その能力を得たことで「どんなことができるようになりたいか」という願いによって、食べたい実が変わってくるかもしれません。もしもあなたが悪魔の実を食べるなら、どの実を食べたいですか?