1300万円で購入した築40年超のリノベマンション いざ住み始めてみると「窓がガタガタ」…しかも「すぐには直せない」と言われて

ヨシダ コウキ ヨシダ コウキ

築年数が経過したマンションや、戸建てをリノベーションなどで内装を綺麗に仕上げて、販売されていることが多くなっています。しかし、「建物の本体」の状況についてもしっかり確認しておく必要があります。

築40年超で、かなりお値打ち

Yさん(東海地方在住、60代、専業主婦)は、夫(60代、定年退職)と現在2人で暮らしています。以前は、子ども3人(3人とも30代)と郊外の戸建で暮らしていました。子育ても終えて、夫も退職した今は、広い戸建ては手にあまる状況だったため、将来のことを考えて都心寄りに住むことにしました。

Yさんの条件は、駅が近くて、金額は1500万円以内というもの。子どもがいない今、特に綺麗なマンションや広い戸建てが欲しいわけではなかったので、値段を優先して、古いマンションも含めて探しました。

しばらくして、「古いマンションだけど、内装はリノベーションされていてとても綺麗な部屋が出た」と不動産屋から連絡がありました。駅も徒歩7分と近く、スーパーも歩いて行ける好立地だというので、内覧に行きました。

マンションは築40年を超えており、とても古いマンションでした。築年数はそれなりに経っているので、共用部は古めかしい感じがしました。しかし、内装は綺麗で、入った時の外観とのギャップに驚きました。

料理をするのが好きなので、キッチンは大きい方がいいと思っていましたが、十分しっかりとしたキッチンがあり、部屋の広さも2LDKと、これから夫と暮らすには丁度いい広さでした。駅からは徒歩5分ほどでしたが、地域的に若者が少ないエリアとのことで、まわりの環境も落ち着いた雰囲気がして気に入りました。

金額は古いマンションということもあり、1300万円とかなりお値打ちでした。自分たちの今住んでいる家を売却したら購入できる金額の範囲内だったので、購入を決めました。

窓から隙間風、立て付けも悪くて…

引っ越しをしてしばらく経った時に、リビングの窓から隙間風があるということが住んでからわかりました。結露も起きてしまいそのせいでもあるのか、カビができています。

その他にも、リビング横の居室の窓はもともと立て付けが悪いと思っていたのですが、その部屋の窓が強風の時にガタガタと鳴り、不安で眠ることができませんでした。購入したときは問題なく動くのであまり気にしてはいませんでしたが、次も強風の時に同じことになったら嫌だったので、すぐに不動産屋の担当者に連絡しました。

すると「そういったことは共用部分になるので、管理会社に連絡してくれ」とのこと。管理会社に連絡して確認してもらいました。

すると「窓は共用部分で、他の部屋からも同様の連絡をもらっている。半年後に大規模修繕工事を予定していて、その際に窓は直す予定なので、それまで待ってほしい」と言われました。Yさんは、今住んでいて困っている問題にもかかわらず、半年も待たなければいけないことに困惑するとともに、今すぐ対処してもらえないことに、とても不安な気持ちになりました。

「失敗した買い物をしたのではないかという気持ちが強くなっています。綺麗な部屋だけなく、もっとマンションの管理部分についても確認しておくべきでした」とYさんは話しています。

   ◇   ◇

このようなトラブルはよくあることなのでしょうか?アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。

自分たちで修繕できない「共用部」はしっかり確認を

ーー廊下の窓がガタガタするのに対処するのは難しいのでしょうか?

こうなった場合、Yさんのように管理会社にいうことは大事かと思います。ただ、マンションの共用部分にはなるので、大規模修繕などで直すことが決まっている場合はそれまで対応してくれるのは難しいかもしれませんね。ガタガタしている隙間に詰め物などを入れて応急処置を取るなどで対処するのが良いかもしれません。

ーー共用部の管理は大事ですね。

共用部は自分たちでは修繕することのできない箇所ですので、マンションであれば玄関扉や窓の冊子、排水管の状況など購入する前によく確認しておくことをお勧めします。

また、今回の様に大規模修繕が計画されているのであれば、修繕の内容を詳しく不動産業者に確認することも可能です。それを確認し、窓の補修という項目があることに気づけば、窓の状態など購入前に気付けたかもしれませんね。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター
https://alphahomenagoya.jp/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース