15年前に結婚し二人の子どもを育てる妻からの相談です。相談者はある時、夫の浮気をきっかけに子どもを連れて別居することに。離婚して新しい生活をスタートしたいと考えていますが、夫は離婚を拒み続けているとのこと。「子どもたちのためにも、このままズルズルしたくない」と相談者は考えていますが、何かよい方法はあるのでしょうか。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがアドバイスします。
自分の浮気が原因なのに…何を考えているか分からない夫
【相談】2歳年上の夫とは15年前に結婚、中学生と小学生の子どもがいます。
1年ほど前に夫の浮気が発覚。話し合いをしましたが、夫の言動に誠意を感じられなかったため、私が二人の子どもをつれて実家に戻る形で別居生活がスタートしました。
別居後も月に1回、夫には子どもたちと面会をさせています。別居をしても子どもたちにとって父親であることには変わりはないとは思うからです。ただし、正式に離婚したら親権は私がもらうつもりでいます。
別居生活がはじまってから、夫から私への連絡はありません。LINEを送っても、既読にはなるものの夫からの返信はなし。彼が何を考えているのか、今はまったくわからない状況です。
子どもたちからの情報によると、別居の原因となった浮気相手との関係はまだ切れていない様子。私としては、「浮気相手と再婚したいのであれば、早く私と離婚してくれればいいのに」と思うのですが、なぜか夫は私との離婚に応じようとはしないのです。
私自身はもはや夫との関係は修復不可能だと思うので、離婚の手続きを進めるしか道はないと考えています。そのことを何度かLINEで送っても返事がないので、手紙を書いて子どもに託したことも一度ではありません。
先日、ようやく電話に出たので、問い詰めたところ「離婚はしない」の一点張り。「親権も渡さない」と言うものの、ほかに具体的に自分がどうしたいのかという要望は提示してこようとしないのです。
子どもたちのためにも、このままズルズルするより離婚して新しい生活をはじめたいと思っているのですが…。
夫は「夫婦関係は修復できる」と信じているかも
【岡野さんの回答】結婚生活も15年以上となれば、夫婦とはいえ価値観の違いが生じるのは避けられないことかもしれません。
ですが、私の30年以上に渡る夫婦問題の相談経験からすると、夫が離婚に応じない理由はただひとつ。妻との夫婦関係が修復できることに可能性があると信じているからです。
おそらく夫は、浮気相手と再婚するつもりは今のところないはず。夫婦関係の倦怠期だったのか、妻に不満があったのか詳しくはわかりませんが、ギクシャクしはじめた夫婦関係から向き合うことを避けるために手頃な女性と浮気をしただけではないでしょうか。
夫は、「妻が大切にしてくれなくなった」「妻にかまってもらえなくなった」といった身勝手な言い分をたてにして、妻に素直に謝ることや浮気相手の女性とキッパリ別れることができないのだと思います。
つまり、本当は妻や子どものことが大事だとわかっていながら、素直に感情を表現することができない「気の弱い、気の毒な夫」だと推察します。とにかく不器用で、伝え方の下手な人なのではないでしょうか。
このことでもっとも振り回されるのは、二人の子どもたちです。多感な時期を迎えた年代で親の不仲や父親の浮気騒動に巻き込まれていては、子どもたちはもちろん、誰ひとりしあわせな道には進めないでしょう。
そんな子どもたちのためにも、今すぐ私たちのようなプロのカウンセラーをはじめとする第三者に間に入ってもらうことをおすすめします。「気の弱い、気の毒な夫」の心情を察することができて、親身になって動いてくれるような第三者が間に入れば、夫を改心させ、夫婦関係を修復することも不可能ではないからです。
もしも、夫が改心することで夫婦改善が修復し、以前より「よき夫、よき父親」「よき妻。よき母親」に変わるとしたら、離婚という結論を出すのはもったいないことだと思いませんか？
まずは第三者の協力を得て、夫の本心をたしかめてみることからはじめてみても、遅くはないでしょう。
◆岡野あつこ（おかの・あつこ） 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家／課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、3万8000件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
◇ ◇
「リコ活」は、夫婦問題の課題解決型メディアです。夫婦関係のトラブルや離婚で悩む人に、専門家とのマッチングの場を提供するとともに、家族のカタチが多様化する時代にあわせた最新情報を発信しています。人気コンテンツ・岡野あつこさんの「夫婦問題相談室」も掲載中です。
▽離婚、夫婦問題の課題解決型メディア「リコ活」
https://ricokatsu.com/
