JAL機炎上で脚光、100万円超のペット同伴フライトとは…「一生に一度なら」愛犬家が関心を寄せる理由

山脇 未菜美 山脇 未菜美

羽田空港で日本航空機(JAL)と海上保安庁機が衝突した事故をきっかけに、ペットを同伴できるプライベートジェットが注目を集めている。航空大学校の卒業生らが事業を始めた東京のベンチャー企業「マイクロジェット」。1回のフライトは100万円超。それでも、試乗会に200件以上の応募が殺到するなど、ペット愛好家からの関心が高い。

足元でリラックスした大型犬

「左側に明石海峡大橋が見えてきました」。1月18日、神戸空港で行われた試乗体験。パイロットの説明に、搭乗した夫妻が沸き立つ中、大型犬のラブラドールレトリバーの雌・クッキー(7歳)は座席の足元に伏せをして、終始リラックスした様子だった。「外が見えていないから、何が起きているか分かららないんじゃないかな。大人しく過ごせるのが分かってよかった」と飼い主は笑う。

この日は平日にも関わらず、栃木や岡山などから5組が参加した。クッキーの飼い主は滋賀県から訪れた。休みのたびにキャンピングカーで全国を旅行する夫妻。ただ、海を渡る沖縄県だけは行けていないという。「犬と離れるのは考えていないので、飛行機は乗れないし、必然的にフェリーになるんですが。48時間は掛かるのでハードルが高くて。一生に一度なら…」と話す。

宮古島まで1泊2日378万5100円

日本の航空会社では、犬や猫などのペットは「受託手荷物」扱いとなり、専用クレートに入れて預けるのが決まり。ただ1月2日の衝突事故でペット2匹が犠牲になり、「緊急時だから仕方ない」「動物を貨物として扱うこと自体がおかしいのでは?」などと、SNS上で議論が白熱した。

そんな中、脚光を浴びたのがマイクロジェットだ。「アメリカのデルタ航空に、韓国の大韓航空、ドイツのルフトハンザ…。海外では、ペット同伴で飛行機に乗るのが当たり前です。ペットを飼っている人は、ペットを家族同然だと考えているので」。起業の経緯を話すのは、社長の高橋良さん(28)。飛行機の可能性を広げたいと、あえて航空会社に就職せず、昨年10月にパイロットの仲間と事業を始めた。

愛犬家でスカイマーク元社長・西久保愼一さん(68)も若者に期待して出資し、会長にも就任。「ジェット機を使った新たなライフスタイルを作っていきたい」と意気込む。

関西国際空港から宮古島まで1泊2日で旅行した場合、試算では378万5100円。料金は大手チャーター会社の3割程度だ。今のところ、富裕層のペット愛好家のほか、プロポーズなど特別な日の利用がある。5万~8万円で試乗できるトライアルプランも行う。

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