「勤勉性が高め」な人が多い都道府県は… 3位・沖縄県、2位・鹿児島県 遺伝子タイプでみると「日本人は勤勉だ」とは言えない??

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

株式会社ユーグレナ(東京都港区)は、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした、「勤勉性が高めの遺伝子タイプが多い都道府県(出生地)ランキング」を発表しました。その結果、「徳島県」が1位となりました。

ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストが提供する遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質などについて、350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて、結果を提供するサービスだそうです。

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心理学において、人の性格の特徴を捉える研究理論のひとつにビッグファイブと呼ばれる「性格の5因子」理論があります。1990年代に提唱されたもので、性格の個人差を「情緒安定性」「外向性」「協調性」「開拓性」「勤勉性」の5つの因子で記述する考え方だそうです。

カリフォルニア大学の研究グループによって、100万人以上の欧米集団から取得したBFIやNEO-FFIなどと呼ばれる性格診断のアンケート調査結果と遺伝子情報を用いて、「性格の5因子」のスコアを計算し、関連する遺伝子型を調査した結果、さまざまな遺伝領域と性格が関連していることが明らかになり、「SNP:rs1501672」という遺伝子型で「T」を持っているほど勤勉性が高い傾向があると分かりました(※)。
(※)Lo MT et al. (2017) "Genome-wide analyses for personality traits identify six genomic loci and show correlations with psychiatric disorders." Nat Genet. 49(1):152-156.

そこで、本調査では目的意識が強く最後まで根気をもって意思をつらぬく傾向である性格「勤勉性(SNP:rs1501672)」に注目。2023年12月に同サービスの利用者の中から5万7449人のゲノムデータを用いて、「勤勉性が高めのタイプ(遺伝子型:TT)」、「一般的なタイプ(遺伝子型:CT)」、「勤勉性が低めのタイプ(遺伝子型:CC)」の3つのタイプのなかから、「勤勉性が高めのタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出し、数値化しました。

その結果、「勤勉性が高めのタイプが多い都道府県」の1位「徳島県」(37.60%)、2位「鹿児島県」(37.23%)、3位「沖縄県」(36.33%)、4位「香川県」(34.55%)、5位「宮崎県」(34.20%)、6位「山梨県」(33.78%)、7位「茨城県」(33.75%)、8位「高知県」(33.56%)、9位「岐阜県」(33.16%)、10位「富山県」(32.68%)という結果になりました。

なお、遺伝子解析項目「勤勉性(SNP:rs1501672)」に関して、「勤勉性が高めのタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する日本人の割合は30.7%、「一般的なタイプ(遺伝子型:CT)」が49.3%、「勤勉性が低めのタイプ(遺伝子型:CC)」が20.0%となっています。

また、人種別では「勤勉性が高めのタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する割合が高い順に、「ヨーロッパ集団」(73.8%)、「ラテンアメリカ集団」(66.8%)、「南アジア集団」(64.6%)、「アフリカ集団」(61.3%)、「アジア集団」(31.4%)、「東アジア集団」(27.9%)となっており、日本人よりも欧米人のほうが勤勉性が高めのタイプが多く、「日本人は勤勉だ」という一般的なイメージとは異なる結果となりました。

一方、「勤勉性が低めのタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する割合は、「ヨーロッパ集団」や「ラテンアメリカ集団」など欧米人が3%前後であるのに対して、日本人を含む「東アジア集団」や「アジア集団」は20%前後だったそうです。

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