「割れる前に少し笑う卵見て」
と、X(旧Twitter)に動画を公開されたのは、SNSなどで人気のイラストレーターであるうのきさん(@UNOKINOKI)。
動画に映っているのは、カレーうどんの中に入った生卵。卵の黄身には、きざみのりで眉毛や目、口が描かれています。そんな卵、箸でつままれ持ち上げられて、最初は悲しげな表情を浮かべるものの…。
割れる前の一瞬、にこりとした笑顔に変わりました!
卵の表情が変わってゆく様子が映された動画。割られてしまう過程は少し悲しげにも思えますが、垣間見せる笑顔はとても可愛いですね。
リプ欄にも多くの反応があり、
「これは初笑い、めでたい」
「笑ってすぐ素に戻るの好きwww」
「こんな表情豊かな卵黄初めて見た」
「一瞬の優しい笑顔」
「悲しい顔になった後の優しそうな微笑みの顔がなんとも言えない」
など、さまざまな感想をもつ方がいました。
ちなみに、うのきさんによると、卵の表情は想定したものではなく、たまたま撮れたものだそうです。卵が笑う瞬間は、ご自身でも「めちゃ笑ってしまった」とのこと。
イラストレーターらしい遊び心を感じられる、面白い動画ですね。
悲しい状況でも笑顔になってほしい
うのきさんによると、この動画を撮影したのは2016年のことだそうです。なぜ、今になって公開されたのでしょう?
うのきさんはこのように話します。
「最近Xが殺伐としてるなぁと感じてまして、この動画を見てクスッと笑って心が軽くなる人が増えたらいいなぁと思って投稿しました」
元日には、北陸で巨大な地震(令和6年能登半島地震)が発生しました。多くの方々が被災されて苦しい生活を余儀なくされ、また救助や復興支援においてもさまざまな問題や課題が指摘されています。
「(Xなどネット上で)肯定的な意見や応援よりも、否定的な意見や批判をたくさん目にするようになり、なんか居心地が悪いなぁと感じていました。そして自ら体験したことよりも、誰かが発した言葉で疲弊している人が多いようにも見受けました」(うのきさん)
悲しい状況でも、少しでも笑顔になってもらいたい――そのような思いで動画を公開されたうのきさん。実は、北陸には浅からぬ縁があり、今回の地震も身をもって体験していました。
「地震発生当時、ボクは実家の福井にいて震度5の強い横揺れの地震を体験しました。そして妻の実家は石川県です。妻の実家は幸いにも被害はなかったのですが、ニュースでも流れている通り能登は今まさに大変な状況です」(うのきさん)
被災地は大変な苦境に立たされており、ネット上ではそれを他者のせいにして叩き合う声が後をたたない…そのような悲しい状況のなか、うのきさんは世間の人々に対してこのように願います。
「自分たちでできることって限られていると思うのですが、それが何なのか、周りの状況をみて、確かな情報を集めて、判断し、行動に起こしてほしいなと思います。それはボク自身にもいえることです」
誰かを批判するのではなく、まずは自分から行動する――その心がけが大切なのかもしれません。
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いま自分ができることを考えながら、皆が少しでも楽しい気持ちになれるようなイラスト制作や動画公開などの活動をされているうのきさん。「いち早い復興の願いを込めて募金のほど、よろしくお願いいたします」と、被災地への義援金の協力も呼びかけています。
■うのきさんのX(旧Twitter)はこちら
→https://twitter.com/UNOKINOKI
■「令和6年能登半島地震に係る災害義援金の受付について」はこちら(石川県のホームページ)
→https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html