「そろそろ時間ですよね?」控えめにゴハンを求めるお母さん猫 幸せつかんだ娘と離れるけれど優しい家族に迎えられた

松田 義人 松田 義人

鼻の近くに黒い模様のある、寄り目がかわいい美猫のうずら。推定年齢5〜6歳で、娘のおはぎと一緒にTNR現場で保護されました。

TNRとは、野良猫を安全に捕獲し(トラップ)、適切な不妊手術を行ない(ニューター)、元の場所に戻す(リターン)という取り組み。このTNRを済ませた猫は、「不妊去勢手術済」である目印として耳がV字にカットされることもあり、「さくら猫」「さくら耳」と呼ばれることもあります。

そんなうずらですが、娘のおはぎと一緒にしばらくの間、個人で保護活動を行う人の家で過ごした後に、LOVE & Co.(以下、ラブコ)に引き取られることとなりました。

控えめに催促する様子がかわいい

ラブコに来た頃の若いママ猫・うずらと娘のおはぎ。娘のおはぎは少々ヤンチャな性格で、「シャーシャー」と威嚇することがありましたが、うずらは穏やかで娘思いの優しい性格でした。ただし、人間への警戒心はやや強く初めて会う人がいれば、静かに離れていき、体を触ろうとすれば急いで逃げていくような素ぶりも見せました。

ただし、そこは猫好きの心優しいラブコのスタッフ。焦らずにうずらのペースに合わせて接しているうちに、「この人たちは悪い人ではない」と理解してくれたのか、次第に甘えてくれるようになりました。食べることも大好きで、その時間が近づくと、「あのー、そろそろゴハンの時間ですよね? 早くくれませんか?」と控えめに催促してくることもありました。そんなうずらの姿を前に、スタッフはつい顔がほころんでしまうこともありました。

トライアル先の家で少しずつ心を開くように

シャイでマイペースにも映るうずらは、しばらくの間、ラブコでスタッフと一緒に過ごしながら、迎え入れてくれる新しい里親さんとの出会いを待ち続けていました。

やがて、「うずらを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、まずはトライアルを実施することになりました。

初めて里親希望者さんと会った際のうずらは、やはり警戒する素ぶりを見せ手からおやつを食べてくれなかったものの、トライアルでその人の家に来てからは、安心して手から食べてくれるようになったそうです。「もしかして、この人が私の飼い主になるのかも」と認識してくれたのでしょうか、里親希望者さんもラブコのスタッフも、うずらが少しずつ心を開いていく様子を見て、とてもうれしく思いました。のちにうずらは、この家に正式譲渡され、見事幸せをつかむことになりました。

結果的には、娘のおはぎとは離れて暮らすことになりましたが、しかし、何よりうずら、おはぎともに幸せな第二の猫生をつかんでくれることが一番の望みです。「ずっとのおうち」を掴んだうずらの姿を前に、目を細めるラブコのスタッフでした。

LOVE & Co.
https://love-and-co.net/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース