生まれたときから汚部屋だった女性→一念発起で断捨離成功、現在の掃除は「1日5分」

金井 かおる 金井 かおる

 白を基調にしたシンプルな部屋で暮らす30代女性「華」さん。実は生まれたときから実家は汚部屋。一人暮らしを始めてからも「散らかっているのは当たり前」。遊びに来た友人2人は荒れ放題の室内を見て「空き巣に入られてるよ」とあわてたほど。しかし家の中で年金手帳を紛失したことから一念発起。「あまりにショックで。ちゃんと片付けようと思いました」。そんな華さんが自身のSNSで発信し、注目を集めるのが「毎日5分で終わる」掃除術です。華さんに話を聞きました。

1日5分、サボらない掃除術とは?

 華さんがX(@hana__heya)で公開した「1週間の計画表」は、月曜日=トイレの消毒、火曜日=ベランダの掃き掃除、水曜日=電子レンジの中を掃除、木曜日=テーブルを専用クリームで磨く、金曜日=風呂の排水溝を掃除、土曜日=ガス台をピカピカに磨くーーという内容。曜日ごとに掃除場所を固定し、5分だけ掃除するというものです。

 「汚部屋を脱出したら超きれいな部屋になり、維持したいから掃除がんばろうと思ったけど土日に一気にやろうとすると面倒でサボるので『毎日5分で終わる』にしてみた。そしたら掃除が簡単すぎで掃除してる自覚がないし、疲れてても「5分だしやっちゃお」とサボらなくなったのでこの戦略マジで最高」(華さんの投稿から引用)

 大掃除シーズンということもあり、投稿はみるみる拡散。7千を超える「いいね」がつき、ユーザーからは「参考にします」「すばらしい計画表」「ありがたい」「まねしよう」など、感謝の声が続々と寄せられています。

 華さんはこの方法を3年続けており、「私の場合は、分析と改善を繰り返すことで継続することができました。すごく掃除が苦手なので、『この曜日はこの掃除!』といきなり決めても絶対にできない日が出てきます。その場合『なぜこの掃除ができなかったのか?』と分析を必ず行います」。

 例えば、当初設定していた「金曜日=トイレ掃除」はサボりがちに。「なぜトイレ掃除をサボったのか」。自身の行動や心境を見直したところ、週の後半の金曜日は疲れがたまり、洗面所の下にある掃除道具を取り出すことすら面倒だった、ということが分かったそう。そこで、トイレ掃除の曜日は休日明けの月曜日に移し、トイレの掃除グッズはトイレシンクのすぐ後ろに置き場所を変更。その結果、無理なく継続できるようになったといいます。

 「単なる掃除ではありますが、仕事と同じようにPDCA(計画、実行、評価、改善)をまわすことでうまく掃除を習慣化できたなと思います」(華さん)

汚部屋を片付けたら「時間と体力に余裕が」

 華さんは現在、北欧風インテリアの中で、必要最低限の物だけで暮らす生活を送っていますが、汚部屋歴を尋ねると「実家時代も含めるともう生まれた時からです」という衝撃の答えが返ってきました。

 「一人暮らしをはじめてからも10年くらいは汚部屋でした。実家もすごく散らかってたからそれが普通の風景になってしまい、自分の部屋が散らかっているとすら思っていないふしもありましたね」(華さん)

 床に物が散乱し「ミルフィーユのような層」ができ、部屋の中を歩くと、「層の下のほうでCDが割れる音が聞こえました」。友人2人が遊びに来たときは「空き巣入られてるよ」と驚かれたことも。「テレビで防犯特集を見たあとだったらしく、テレビで見た被害状況と私の部屋が同じありさまだったので驚いたみたいです」

 「これではいけない」と思い立ったきっかけは、年金手帳。「部屋の中で年金手帳を紛失したことでした。あまりにショックで、もうちゃんと片付けようと思いました」

 大量にあった服は古着買取の業者に買い取ってもらい、古い家具類は思い切って処分。一時は「布団しかない部屋」になりました。心機一転であこがれだった白い床の部屋に転居。美しい状態を保っています。

 華さんは汚部屋時代の自身を振り返り、「今考えると『なぜ散らかってるのか』『どうすれば片付くのか』を自分の頭で一切考えなかったです。めちゃくちゃ反省しています」。部屋がきれいになると、生活にも変化が現れました。

 「時間と体力があり余ります。部屋を片づけたら掃除がしやすいわ、料理は楽だわ、使った物の片付けも秒で終わるわ、物も探さなくなるわで、普段の生活を『2~3割の力』で送れるようになって、すごくうれしいです。調子が悪い日でも家事がすぐに終わるから、部屋がいつも通りなのもうれしいですね」(華さん)

 汚脱出の記録は自身のブログ「ミニマリスト華のブログ」でも発信。Xでは年末までの「捨てるものリスト」も公開中です。

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