「不味く作られたチョコ」って!? アメリカで開発された軍用チョコレートの解説イラストが分かりやすい

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「不味く作られたチョコ」

趣味で、X(旧Twitter)やイラスト系SNSであるPixivに軍関連のイラストを多数公開されているmssn65(@jpg2t785)さん。この度、アメリカで製造されていた軍用チョコレートについて紹介しました。

軍隊で兵員に配給される食糧のことを“レーション(コンバット・レーション)”といいますが、そのなかで“Dレーション”はチョコレートとして開発されました。

そんなDレーション、特筆すべき大きな特徴があります。それは「不味い」ことです。

非常用糧食としてあえて「不味く」作られた

「以前読んだ戦記に載っていた」ことからDレーションについて興味をもち、調べてみたというmssn65さん。イラスト内でその歴史・用途・特徴などについて、詳しく解説されています。

1937年、アメリカ陸軍のポール・ローガン大佐が、国内最大手のチョコレート製造会社であるザ・ハーシー・カンパニー(現社名)に依頼、開発したのがこのDレーションです。

軍隊においてチョコレートは、「兵士のストレスを低減し、士気を高める」「高カロリーによって携帯性に優れた非常用糧食」という2つの役割がありました。

Dレーションは、ほぼ後者の目的から開発されたといいます。普段から兵士がたくさん食してしまわないよう、味はあえて美味しくなく調整され、そのうえで高カロリー(1つで1日に必要な最低限のエネルギー量の3分の1が摂れる)・高温に耐えうる(体温、熱帯・砂漠などの環境下でも溶けない)などの条件で製造されました。

このように、Dレーションについて解説したイラスト。

「美味しいとダメとは…なるほどなぁ」
「非常食が不味かったのも同じ理由あるのかもなあ」
「うーむ、長持ちして尚且つ美味しい上に食べやすい軍用食ってのはやっぱり難しいものですな」
「おいしく作ってやれよ…明日にでも死ぬかもしれないのに」

Xのリプ欄にもさまざまな感想が寄せられています。

非常時に役立たせるための携帯食として開発されたDレーション。しかし、効率よいカロリー摂取や耐熱性が重視されるあまり、味覚や食感が考慮されていなかったことから、兵員たちの評判は良くなく、1944年には製造を終了してしまったといいます。

しかし現代、もしもの時に簡単にカロリー摂取ができるチョコレート等の携帯食は広く普及しています。また、まいどなニュースでは以前にも、韓国の軍隊で支給されている「世界一まずい」チョコレートについて紹介しました

Dレーション自体の製造はなくなってしまったものの、軍用の携帯食または緊急時の非常用食糧として、チョコレートはいまでも重宝されているのですね。

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