J1コンサドーレ札幌のミハイル・ペドロヴィッチ監督は12月3日、試合後インタビューで浦和レッズのサポーターに対し、「今私にブーイングされた方は典型的な浦和サポーターだなと思いました」と反撃する一幕があった。
この日は元日本代表MF小野伸二(44)の引退試合でもあり、コンサドーレ札幌は本拠地の札幌ドームに浦和レッズを迎え、リーグ最終戦を行ったが0-2で敗れた。リーグ最終戦後のセレモニーで挨拶に立ったペドロヴィッチ監督は、古巣・浦和のサポーターからブーイングを浴びせられ、「これが6シーズン浦和を率いた監督に対するリスペクト…そういうことだと思います。人の土地に来て、アウェイチームの最後のセレモニーを邪魔しないでもらっていいですか」と煽り返すと、会場は沸き立った。
「ミシャ」の愛称で知られるペトロヴィッチ監督は「浦和さんは今日勝って、(勝ち点)3ポイントを取ったので、満足して帰ってもらっていいですか。ここは我々のホームで最後のセレモニー、邪魔しないでもらっていいですか」と言い募り、「我々札幌は結果を求めながら、そして内容を求めながら、高みを目指している、そういうチームだと思っています。浦和のサポーターさんは、恐らく結果さえあればそれでいい。そういうサポーターじゃないですか」と挑発を続けた。
ひるがえってホームの札幌サポーターには、「私は札幌で6シーズン仕事をさせてもらって本当に幸せです。いい時もありましたが厳しい時もありました。厳しい時に力強い後押ししていただけるサポーターの皆さんです。私は世界一幸せな監督だと思っています」と深く感謝した。
「『浦和の選手をどうぞ、使ってください』と言われても、私は要りません」と古巣に対抗心をむき出しにし、「私はこのチームで、この選手たちで来シーズンも力強く戦っていこうと思います」と指揮官続投を宣言した。
また、現役を引退する小野伸二にも触れ、「今日はシンジの現役最後のゲームで、20分という短い時間でしたけれども、シンジの素晴らしいプレーを観ることができました」と天才と称されたMFをたたえた。
小野伸二は引退セレモニーで「まずは浦和レッズサポーターのみなさん、今日はあたたかいブーイング、ありがとうございます」とかつて自身も所属した浦和サポーターに挨拶した。「ミシャさんの挨拶の時、いろいろありましたが」と監督の浦和煽りに触れ、「こう見えてもミシャさん、浦和レッズ(のこと)大好きです。忘れないでください」とフォローし、「一つ、お願いがあります。どんなときでも、どんな人に対しても、リスペクトということだけ、忘れないでください。よろしくお願いします」と伝えると、スタジアムから拍手が上がった。