娘のムチャぶりで、85歳の父がストリートピアノに…繁華街で拍手喝采の裏側「この10本の指に育てられた。泣いた」 

福尾 こずえ 福尾 こずえ

ヨドバシのストリートピアノを流れるような手つきで弾く男性の動画が話題に。1曲目はシャンソンの名曲「愛の賛歌」、2曲目はジャズのスタンダードナンバー「Night and Day」。演目のセレクトも素敵です!

実はこの男性、数年前に引退したジャズピアニスト。「父85才に無茶振りしてヨドバシのストリートピアノ弾いてもらったら人集まってきて拍手貰いました✨🎹この指10本で育った私😭泣いた😭ずっと元気でいて🙏」と娘の町不動産 (@machirealestate)さんからのお願いだったのです。

そんなエピソードとともに、都会の喧騒を一変させる優雅で、情感あふれる音楽に聴き惚れる人が続出。「素敵な音色🎵素晴らしいお父様!」「梅田の雑踏がオシャレなジャズバーの夜に早替わり」「聞き惚れました」「かっこいい…イケじいや」「このまろやかタッチに感動!俺も泣きそうです」と絶賛の声が相次ぎ、表示回数は480万を超えました。ピアノを弾く男性はジャケットにハット、ジーンズと着こなしもおしゃれです。背筋もシャキッと伸びていて、御年85歳とは思われません!

町不動産さんは、続けて同日の演奏を投稿。「枯葉」、「ひまわり」、「Sermonette」、孫娘さんのリクエストで披露したという、キラキラと星が流れるようなアレンジの「星に願いを」、甥っ子さんのリクエストで「White Christmas」「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」と、家族のために次々と弾いてくれたのです。

この時の様子やお父様について、町不動産さんに詳しく話をお聞きしました。 

「引退してからは久しぶりの拍手」

――この時の状況を教えてください

「私の妹と甥っ子が東京から遊びに来ていて、父とランチをするというので、ちょうど家に帰ってきていた私の息子と娘も一緒に合流しました。父にストリートピアノを弾いてほしいとリクエストすると、「いいよ!近くにあるの?」って感じで快く引き受けてくれました」 

――これまでもリクエストには応えてくれていましたか?

「そうですね、これまでも「ピアノ弾いてー」はいつでも気軽に頼んできました。父は職人気質ですが頑固なところは全然ありません」 

――拍手をもらったとき、お父様はどのような様子でしたか?

「ニコニコしてわざわざ立ち上がって観客に会釈していました。おそらく引退してからは久しぶりの拍手だと思うのでうれしそうでした。そんな父を見て私もすごくうれしかったです」 

――お父様は現役を何年続けられたのでしょうか

「1962年ごろから2017年なので55年ですね。思えばすごい年数!引退は78歳の時だったので、その日は花束持って駆けつけました」 

――引退したあともピアノを弾いてらっしゃいますか?

「いえ、自宅にピアノがないのでほぼ弾いていないですね。ボランティアで病院や介護施設、養護施設でひけたらといつも言ってます」 

――お父様はどのような方ですか?

「ミュージシャンらしくなく、ガツガツしたところが少しもなくて、とても控えめです。目立つのが苦手で温厚なタイプですね。あと、若い頃からオシャレでダンディー、85才の今もジーンズ履いてます」 

――町不動産さんの幼い頃はいかがでしたか?

「私が子供の頃は毎年夏に旅行に出かけたり、あちこちよく連れて行ってくれました。昔から父は温厚で、叱られたことは一度もなかったです。大人になってからは離れて暮らしていても良く電話をかけてくれたりメールをくれたりといつも元気かどうか心配してくれていますね。私の方が心配なんですけどね(笑)」 

今回の反響を受けて、SNSのすごさを痛感したという町不動産さん。「これを録音して公開したことで480万回も視聴され、多くの方に温かい言葉をいただきました。毎日うれしく、私たち家族もとても感動し、感謝しています。父にはずっと元気でいてほしいし、たまに今回のようにピアノを聴かせてもらえたら」と笑います。 

ちなみに、ご自身の結婚式のときに父親に挨拶がわりでピアノを演奏してもらったら、参列者からは「お父さんのピアノがよかった泣いた」という反応ばかりだったという思い出も。今度は孫である娘さんの結婚式でピアノを弾いてもらう約束もしているそうです。

町不動産さんを育てた10本の指が奏でるピアノが、世代を超えて今も家族の絆を結んでいる…とても素敵ですね! 

■町不動産さんX(旧Twitter) https://x.com/machirealestate

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