実は若者にも多かった!アクセルとブレーキ「ペダル踏み間違い」事故、防止策は

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

ブレーキとアクセルのペダル踏み間違いによって起こる事故。ニュースなどで報道される機会も増えていて、他人事ではないと感じているドライバーの方も少なくないでしょう。なお、高齢者に特徴的な事故と思われがちですが、若年層による件数も多くなっています。

2018~2020年に起こった踏み間違い事故は9,738件(交通事故総合分析センター調べ)。75歳以上と24歳以下での発生件数は以下の通りです。

・75歳以上…2,080件
・24歳以下…1,613件

なお、45~54歳の発生件数は962件でした。24歳以下は免許を取ったばかりの人も多くいます。踏み間違いは運転の経験や頻度が少ない人でも注意が必要です。

踏み間違い事故が起こりやすいシーン

ペダルの踏み間違い事故が多いのは「道路以外の場所」。具体的には以下のような場所で起こっています。

・店舗などの駐車場
・サービスエリアやパーキングエリア

また状況としては「発進時」が最も多いです。つまり、踏み間違い事故の多くはスピードが出ている時でなく、一見運転に余裕がありそうな低速走行時に起こっています。

踏み間違いの原因

踏み間違いの原因には、主に以下の3点が挙げられます。

・足元への注意の欠如
・後方確認などによる姿勢の変化
・パニックによる踏み間違い

駐車場やサービスエリアは人通りも多く、アクセルとブレーキを踏みかえる機会も多くなります。その結果、足元への注意が欠けて事故が起こりやすいのです。

また後方確認の時など、姿勢を変えた時に「うっかり足元の位置がズレてしまった」というのも事故の原因になりやすいです。

またペダルを踏み間違えた時など、誤操作にパニックを起こし、さらにアクセルを踏み込んでしまうケースもよくあります。この場合は店舗に大きく突っ込むなど、事故の規模も大きくなりがちです。

▽AT車はMT車より踏み間違いが多い

AT(オートマチック)車とMT(マニュアル)車だと、AT車の方が踏み間違いが起こりやすいと言われています。それには以下のような理由があります。

・AT車は片足のみで操作(MT車は左足でクラッチペダルも操作)
・AT車のクリープ現象に驚き、パニックになりやすい

MT車の場合、たとえ右足でアクセルペダルを踏んでいても、左足でクラッチペダルを踏めば急加速を避けることができます。

また「クリープ現象」とは、シフトレバーが「P」や「N」以外にあると、アクセルペダルを踏んでいなくてもクルマが動いてしまうというAT車ならではの現象。「クルマは動かないだろう」と思い込んでいる時だと、このクリープ現象にパニックを起こしてしまうケースも多いです。

踏み間違いを防ぐ対策

ペダルの踏み間違いを防止するためには、以下のような対策があります。

▽対策① 正しい姿勢での運転

踏み間違いの最大の原因は「足の位置のズレ」。位置がズレると「ブレーキだと思ってアクセルを踏んでしまった」といったことが起こりやすいので、常に正しい姿勢をキープするのが重要です。

バランスを崩した状態で運転すると、両方のペダルを踏んでしまう可能性があり、これも事故に繋がります。またシートの下げすぎも、かかとが床につかなくなり、操作が不安定になるので危険です。

▽対策② 急発進等抑制装置付きのクルマの購入

「急発進等抑制装置」は、ペダルの踏み間違い事故を防ぐための装置です。急にアクセルを踏み込んだと判断すると、自動でアクセルを無効化したり抑制したりしてくれます。

「誤発進抑制装置」とも呼ばれ、現在は多くの新車に装備されています。

▽急発進等抑制装置は後付けも可能

最近では、後付けできる急発進等抑制装置も多く販売されています。「まだクルマの買い替え予定はないけど踏み間違いが心配」という人はこうした後付けの装置を検討してみるのも良いでしょう。

大手自動車メーカーも、以下のような名称で急発進等抑制装置を販売しています。

   ◇   ◇

【トヨタ】
踏み間違い加速抑制システム/踏み間違い加速抑制システム2
【ホンダ】
踏み間違い加速抑制システム
【三菱】
ペダル踏み間違い加速抑制アシスト
【日産】
後付け踏み間違い加速抑制アシスト
【マツダ】
ペダル踏み間違い加速抑制装置
【スバル】
ペダル踏み間違い時加速抑制装置/ペダル踏み間違い加速抑制アシスト踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」
【ダイハツ】
ペダル踏み間違い加速抑制アシスト踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」
【スズキ】
ふみまちがい時加速抑制システム

   ◇   ◇

自動車メーカーだけでなく部品用品メーカーからも多く販売されています。カー用品店で取りつけを行っているところも多く、その費用は製品代と合わせて5万円前後が相場です。

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