60歳前後になると、あちこちから同窓会のお誘いをいただきます。サラリーマンは定年を迎える人が多いでしょうし、ひと区切りという事なんでしょうか。同窓会で面白いのは、皆が結婚後の姓を覚えられず、みんなが旧姓で呼び合うこと。私も旧姓の「西村さん」で呼ばれていて、これが又懐かしくていいものです。
これは同窓会に限らずですが、年を重ねてから久しぶりに旧友に会うと会話がリズムに乗るまでに結構気を遣うもの。子どもがいるのかいないのか、ローンが残っているのかいないのか、仕事をしているのかいないのか、介護をしているのかいないのか…。そういうさまざまな条件で時間やお金の使い方のバランスが個々人で微妙に変わってくるため、何となくお互い探り探りの会話をしてしまうことも(笑)。
コロナが落ち着いてから、私ぐらいのオバハンの3人旅や4人旅を又見かけるようになりました。よーく見ると、その人たちはほとんど同じ雰囲気を持っている。ずば抜けて1人がベッピンというわけでもなく、ずば抜けて1人がお金持ち風でもなく、ずば抜けて1人が苦労している風でもない。何となく似たような背恰好で、何となく似たような服装に見えるのです。一緒に旅行するとなると、それが安心できるのでしょうね。そういうところが、やっぱり日本人だなあと思います。
同窓会の質というのは、幹事さんの力量によって大きく変わります。私は大阪・枚方市出身ですが、うちの小学校の同窓会の幹事さんの企画力がすごい。いつもノスタルジーに浸れる、昭和感満載の会を企画してくれます。懐かしの小学校に集合してマイクロバスに乗り込み、参加者1人1人が昔住んでいた家の辺りを1軒ずつ回って思い出話をし、ゴールの飲食店で宴会という回もありました。
またある時は、喜寿を迎えられた先生と還暦を迎えた我々のお祝いの同窓会で、小学校時代にその先生と行った遠足先にみんなで行ったことも。すごいのは、彼が前もって下見をして皆や先生がちゃんと歩いて回れるかどうかをチェックしているところ。その回は道が悪く通行止めの所があるという事で、行き先が平等院に変更されました。
私はその回には出席できず、喜寿のお祝いだけ参加させてもらったのですが、負担にならないようにと先生と相談の結果、当日の先生のお食事代をみんなで割って出すことになったのです。1人500円と聞き、昭和感満載の彼に振込先を聞くと、「PayPay(ペイペイ)に振り込んでくれる?」と、そこだけは令和(笑)でした。