【ネットでの誹謗中傷】4人に3人が「気をつけている」ものの…約4割が加害者になった「経験あり」と回答

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

匿名で利用可能なSNSの普及が背景となり、インターネット上の誹謗中傷が後を絶たない状況が続いています。株式会社ライボ(東京都渋谷区)の調査機関『Job総研』が全国の20~50代の社会人男女1216人を対象に「2023年 誹謗中傷の意識調査」を実施したところ、4人に3人以上の人が「誹謗中傷に気をつけている」とする一方で、4割の人が「誹謗中傷になる行動をした経験があると思う」と回答していました。

調査は、同社が運営する匿名相談サービス『JobQ Town(ジョブキュータウン)』の登録者を対象として、2023年10月にインターネットで実施されました。

調査によると、全体の76.5%が「誹謗中傷に気をつけている」(とても気をつけている26.8%・気をつけている31.4%・どちらかといえば気をつけている18.3%)と回答。

その一方で、75.3%の人が「匿名環境での誹謗中傷の制御は困難だと思う」(とても思う28.3%・思う26.5%・どちらかといえば思う20.5%)とも回答しています。

続いて、SNSで誹謗中傷になる行動をした経験があるか聞いたところ、40.6%の人が経験があると思うと回答しました(誹謗中傷をしたことがあると「とても思う」10.4%・「思う」10.1%・「どちらかといえば思う」20.1%)。

なお、SNSでの行動をレベル1~5(※)に分けた上で、「どのレベルが誹謗中傷だと思いますか」と聞いたところ、「レベル1(批判に対して受け手の存在を考えずに何気なく反応)」(32.6%)が最多になりました。

(※)レベル1:批判(発信)に対して受け手の存在を特に考えずに何気なく反応
レベル2:批判(発信)に対して単発でネガティブな反応
レベル3:批判(発信)に対して複数回(連続的に)ネガティブな反応
レベル4:誹謗中傷と認識して単発で個人を攻撃
レベル5:誹謗中傷と認識して複数回(連続的に)個人を攻撃

また「SNSでの誹謗中傷をしたと思う」と答えた494人にその理由を教えてもらったところ、「憂さ晴らし」(19.8%)、「匿名性による罪悪感の希薄」(19.2%)、「集団(2人以上)による罪悪感の希薄」(18.4%)といった回答が上位に並びました。

さらに、「加害と仕事のストレスの関係」については、52.4%の人が「関係していた」(とても関係していた17.4%・関係していた19.2%・どちらかといえば関係していた15.8%)と回答しています。

一方、「被害経験」について全回答者に聞いたところ、40.7%の人がSNSで誹謗中傷を受けた経験がある」(とてもある9.6%・ある13.7%・どちらかといえばある17.4%)と回答。「SNSでの誹謗中傷を受けたことがある」と答えた495人に、そのレベルを教えてもらったところ、「レベル2(発信に対し単発でネガティブな反応)」が30.5%で最多となりました。

最後に、「誹謗中傷は意識的に改善可能だと思いますか」と聞いたところ、70.0%の人が「改善可能だと思う」(とてもそう思う18.2%・そう思う26.1%・どちらかといえばそう思う25.7%)と回答しました。

また、「誹謗中傷が起きやすいと思う環境」を複数回答可で答えてもらったところ、「匿名環境」(50.4%)が最も多く、次いで「政治・性・人種・宗教に関連する環境」(35.4%)、「有名人のアカウント内」(26.3%)が続く結果となりました。

ちなみに、「誹謗中傷は意識的に改善できる」と答えた850人に、「改善できると思う条件」を複数回答可で答えてもらったところ、「デジタルリテラシーが向上すれば」(48.9%)、「ルールや規制の強化がされれば」(44.1%)、「匿名性の制限がされれば」(41.2%)などが上位に挙げられました。

一方、「改善できない」と答えた366人に対しても、その理由を教えてもらったところ、「人間性の問題だから」(41.4%)、「罪の意識が根付いていないから」(38.7%)、「匿名だから」(38.4%)といった回答が上位を占める結果となりました。

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