ケージの外に出たことがない繁殖犬
ぐらちゃん(11歳・メス)は推定6歳の時に保護された。ブリーダーのところで繁殖犬として子犬を産み続けてきた過去がある。繁殖できなくなっても囲いの外に出ることはできなかったが、有志のトリマーたちが運営するボランティア団体に保護され、ペットショップで里親を探していたという。
茨城県在住のMさんは、幼少期から犬と共に生活してきた。彼女の初めての愛犬は、兄が小学校で拾ってきた捨て犬だった。その経験もあり、むぎちゃんという元繁殖犬の里親になっていた。Mさんがぐらちゃんに出会ったのは2019年7月のことだった。
寂しそうな目
Mさん夫妻は、近所のペットショップに立ち寄った時、ぐらちゃんを見つけた。ぐらちゃんは他の子犬たちがお客さんの注目を集める中、少し離れた場所でケージに閉じ込められていた。
「行き交う人たちを眺めるぐらの寂しそうな目が出会った頃のむぎと同じで、胸が締め付けられて家族に迎えることにしました。同じ境遇を生き抜いてきたむぎとぐらなら、良い家族になれるのではないかと思いました。」
ぐらちゃんは抱き上げるだけで全身で震えていた。しかし、家に連れて帰ってむぎちゃんと対面すると緊張がほぐれ、楽しそうにむぎちゃんにくっついて歩き回ったという。
保護犬への偏見がなくなった
ぐらちゃんの元々の名前は "ローズ"だった。 Mさんはお気に入りの絵本「ぐりとぐら」のリスにインスパイアされて "ぐら" という名前にした。
ぐらちゃんはマイペースで甘えん坊な性格で、ひなたぼっこが大好き。暑い夏でも日向に寝転がって過ごしている。
犬たちとの共同生活は、Mさんとその家族の生活に多くの変化をもたらしました。特に、保護犬へのイメージが180度変わり、偏見がなくなったと感じているという。
「保護犬は成犬からでは懐かない、飼うのが難しいなどという心配は一切必要なく、むぎもぐらもすぐにうちに馴染んでくれました。とても可愛い我が子です。」