【地下アイドルの皆様へ】から始まるXのある投稿が10月半ば、界隈を震撼させた。その投稿はこう続く。
「平日昼間/入場料高値/サーキットイベント/1日に複数出演の4つのキーワードが重なる場合は覚悟しておいてください。客1人の可能性がございます」
添付された動画には、ステージで全力のパフォーマンスを披露する女性の地下アイドルグループと、それを自分以外誰もいないフロアでぽつねんと見つめる1人の男性の後ろ姿が収められていた。
話はそこで終わらない。投稿はさらに続く。
「もし客が1人だった場合はステージにあげて逃げ場をなくしてライブすると帰られる心配もなければお客様からすると自分だけのためにライブしてくれてると非常に多幸感もございます」
そして、こちらに添付された動画には、先ほどの男性がステージ上でメンバー4人に囲まれ、文字通り四方から全力の歌と踊りの集中砲火を浴びている様子が…。所在なさげな男性からは、「多幸感」というよりもむしろ「戸惑い」「気まずさ」「羞恥」といったワードの方が思い浮かぶが、それはさておき、投稿したアイドルグループ「JUGS MAFIA(ジャグズマフィア)」(@jugs_mafia)の運営Sさんに地下アイドルのライブ事情について聞いてみた。
Sさんによると、10月16日(←月曜日!)に複数の都内ライブハウスで行われた地下アイドルのサーキットイベントでのひとこま。JUGS MAFIAが出演した会場には、この時間帯(16時前後)にそもそも客が数人しかいなかった上、他グループの特典会が別フロアで同時開催されていたため、ステージ前から客が根こそぎ消えてしまったというのだ。Sさんは「なので動画は仕込みではなく、“完全なノンフィクション”なんです」とよくわからないが誇らしげである。
「人気の差が激しい地下アイドルの世界では、今回のように平日開催や高めの入場料などの厳しい条件が重なると、フロアが本当に“地獄”と化すことがあるんです」とSさん。それを嘆くのではなく、ネタにして笑い飛ばしてしまおうと投稿したところ、「これ、ホントの話?ネタ?」「地獄」といったものから、「たった1人のお客様相手に最上のパフォーマンスを披露できる素晴らしい心意気を尊敬します」「これはこれで楽しそう」といったものまで、様々なコメントが寄せられ、大きな反響を巻き起こした。
そんなJUGS MAFIAは来年(2024年)3月7日、白金高輪SELENE b2というキャパ700人の会場でワンマンライブを開催予定。「客1人」を経験したグループが、一気にスターダムを駆け上る!……大丈夫なんでしょうか?