民家の庭で暮らす4匹の子猫と母猫 TNRの捕獲に意外な助っ人が現れた もしかしてあなたはお父さん?

松田 義人 松田 義人

関西のある民家の庭で、4匹の子猫とお母さんの一家が暮らしていました。

心ある人がこの猫一家にTNR(捕獲し、不妊手術をした後、元いた地域にリターンする活動)をしたほうが良いのではと考え、関西圏を中心に活動している保護猫・ノラ猫専門の保護団体「ねこから目線。」に相談しました。もちろん「ねこから目線。」のスタッフは快諾。この猫一家のTNRに乗り出すことになりました。

多くの人たちの連携でTNRが実現しましたが、思いもよらぬ助っ人となったのが猫一家のお父さん猫でした。

4匹までは順調に捕獲

猫一家が暮らす民家に向かう途中、「ねこから目線。」のスタッフは「まず、子猫たちをどう捕獲するか」と検討しました。頭数がやや多めであることから、相応の手はずを踏む必要があるためです。

民家に到着し、猫一家の姿を見ると、庭の一角に集まり、家主からもらった食事をとっていました。スタッフはなるべく猫一家を驚かせないよう、静かに各所に捕獲器を設置。猫たちが自然に捕獲機に入ってくれることを期待してのことでした。

しかし、猫は人間が思う通りの行動はしないもの。片方の捕獲器に子猫たちが、寄ってきてしまったのです。そこで作戦を変更。スタッフはまず子猫3匹の捕獲から始めることにしました。そして捕えた子猫たちを心配そうにやってきた母猫と合わせて、4匹まで順調に捕獲することができました。

意外な助っ人となった「ヌシ」的存在の成猫

残るは子猫1匹です。きょうだい猫たちがいるので、残りの1匹も近くにいるはずなのですが、なかなか姿を見せてくれません。待つこと1時間。ようやく子猫は現れ、捕獲器の近くに寄ってきました。しかしすぐに離れてしまいました。「ねこから目線。」のスタッフは「うわぁ」と肩をガックリ落としましたが、なんとここで思わぬ助っ人が現れました。

それは1匹の成猫。

捕獲器になかなか入ってくれない最後の1匹に、頭を小突くなどして入るよう促したのです。その甲斐あって、最後の1匹もなんなく捕獲器の中にすんなり入ってくれました。

この成猫、ときおりここに現れては特に食事するわけでもなく、一家の様子をただただ見守る「ヌシ」のような存在なのだそうです。はっきりとしたことはわかりませんが、もしかしたらこの一家のお父さん猫か、あるいはお父さん的な存在の猫なのかもしれません。

それにしても、ここで思わぬ助っ人が登場してくれたことに「ねこから目線。」のスタッフはホッと胸をなでおろし、心の中でお礼を言いました。「ヌシさん、助っ人をどうもありがとうね」と。

無事TNR完了。猫一家は再び仲良く暮らし始めた

猫一家は、無事にNTRを実施。この不在の間、その民家の人は餌場を綺麗に掃除し、雨から避けられる場所に猫ベッドを作ってくれました。猫一家をリターンさせた後は、さらに快適に過ごせることを喜んだのか、猫一家は以前と変わらず元気にエサを食べてくれるようになりました。

「ねこから目線。」のスタッフは、これまでの一連の出来事を喜びました。そして、今後も多くの心ある人たちと連携しながら、TNRはもちろん猫たちの幸せを願うために、あらゆる活動をしていく思いを胸に強く抱きました。

「ねこから目線。」
https://nekokaramesen.com/

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