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「生きてる…」散歩道で見つけた瀕死の子猫 下半身まひ、前足だけで体を引きずる 助けてもその先どうすれば……それでも「置いてけなかった」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「最初はまったく動いてなく、完全に死んでると思いました」

そんな言葉とともにInstagramへ投稿された一本の動画が、多くの人の胸を打っています。

投稿したのは、山口県山陽小野田市で整体院を営む「小野華」さん。瀕死の状態で見つけた子猫を保護した当時の映像と、その後、元気いっぱいに成長した姿を公開すると、「一枚目と二枚目が違いすぎてビックリ」「小さな命を助けてくださりありがとうございます」「運の良い子だなぁ」といった声が相次ぎました。

当時、どのような状況だったのでしょうか。投稿者の小野華さんに詳しく話を聞きました。

「山際に移そう」と思った瞬間、子猫が震えた

子猫と出会ったのは7月3日午前6時ごろ。毎朝の日課である散歩中、普段は月に1~2回しか通らない山道を歩いていた時のことでした。「何か転がっている」と近づいてみると、一匹の子猫が横たわっていました。

「最初はまったく動いていなかったので、死んでいるものと思いました。車にひかれたら、運転した人も猫もかわいそうだから、せめて山際に移そうと首根っこをつまんだんです」

その瞬間、子猫はブルブルと震え、わずかに体を起こしたといいます。

「『生きてる…』と驚く一方で、『こんなんどうしたら良いのか』という葛藤が始まりました」

「助けても、その先どうする?」ペット不可の賃貸で葛藤

小野華さんは、整体院と住居を兼ねたペット不可の賃貸物件で一人暮らしをしています。

「助けたところで、その先どうすることもできない。猫が苦手なお客さんもいるはずですし、やっぱり山際に戻そうかとも思いました」

しかし、子猫の周りにはアリが群がっていました。

「置いていくことはできませんでした」

「後は何とかなるだろう」

そう覚悟を決め、一時的に保護することを決意。同時に、「かわいいから保護したのではない」という状況を残しておこうと撮影したのが、今回話題になった動画だったそうです。

下半身まひ…「譲渡は難しい」と覚悟した日々

動物病院では、親猫に見捨てられた可能性が高いと告げられました。

ノミ・ダニの駆除と点滴を受け、試しに与えたチュールを食べたことで、獣医師も少し驚いた様子だったと振り返ります。その後はインターネットや動画を参考にしながら、一人で世話を続けました。

実は保護から4日ほどは、下半身にまひがあり、特に右足は伸びきったままで、前足だけで体を引きずって歩く状態だったそうです。

「この状態では譲渡も難しいだろうと思い、自分で飼う覚悟を決めました」

整体師としての経験を生かしたケアも続けたといい、「今では健康そのもの。駆け回って飛び跳ねています」と笑顔で話します。

大家さんと隣人の理解「感謝しかありません」

保護した当日、小野華さんは大家さんへ相談しました。すると、「隣人に迷惑がかからなければ、一応いいですよ」と、一時保護を認めてもらえたそうです。

さらに、猫がいる側の隣人夫婦にも事情を説明したところ、「まったく問題ないですよ」と快く受け入れてくれました。

「ダメと言われたら、それで終わりでした。本当に感謝しかありません」

子猫は警戒心が強く、ほとんど鳴かないため、現在まで苦情は一件もないといいます。

「元気になったからこそ公開できた」

小野華さんは、当初この動画を公開するつもりはありませんでした。

「誤解を招くかもしれないと思っていましたし、元気にならなければ投稿するつもりもありませんでした」

それでも公開を決めたのは、保護当時の姿を知ることで、「こんな状態でもここまで元気になれる」という命の強さを伝えたかったからでした。

「下半身を引きずっていた頃の動画は、かわいそうで撮ることができませんでした。もしあのまま回復していなかったら、この動画も投稿していなかったと思います」

現在、子猫の名前は自然と「ミケちゃん」に決まりました。譲渡も考えていましたが、今ではその気持ちはなくなったそうです。

「大家さんに飼育許可をお願いしたいと思っています。もし難しいなら、ペット可の物件へ引っ越すことも考えています」

最後に、小野華さんは今回の出会いについて、こう語ってくれました。

「月に1~2回しか通らない散歩コースで、あんなふうに絶命寸前で横たわっていたんです。何か深い縁というか、自分にとって必要な学びのために来てくれたと、今は本気で思っています」

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