娘が算数のテストで
「4cmの針金を5mmずつに切ると何本できますか」
という問題に
(式)4cm÷5mm=8
(答)8本
と解答したところ、式が減点されてた。
「この式では答えは8になりません」
と書かれてたけど、単位付けてるから正しいのになあ
shelfallさん(@shelfall)が、学校の指導の仕方について疑問を投げかけました。
算数のテストで「4cmの針金を5mmずつに切ると何本できますか」という問題に、娘さんが「4cm÷5mm=8」と解答したところ、先生に「この式では答えは8になりません」と減点されてしまったといいます。
娘さんの考え方は正しいと判断したshelfallさん。それを間違いだと指摘する先生の方針に疑問をもち、X(旧Twitter)に書きこんだところ、たくさんの方から反響がありました。
「単位を揃えなくても表記しているのだから問題無いでしょうに」
「これは〇で良いと思いますけどね」
「ちゃんと単位の違いも認識しててえらい」
「学校って1つの考え方や方法が正解であって、他のやり方考え方は例え結果同じでも誤りなんですよね」
「先生の言い方が悪すぎる」
投稿には、娘さんの方が正しいとする意見が多く寄せられるなか、反対の意見もみられました。
「算数的には減点されるのが道理」
「バツになってなくて減点ならおかしくないのでは」
「cmとmで『単位が揃っている』というのは社会で通用しないと思う」
賛否両論ありましたが、そもそも娘さんは「4cmの中に5mmは8個ある」という観点から、この立式を行ったといいます。さらに確かめとして、
(式)
1cm÷5mm=2
2×4=8
(答)
8個
という別解も行っており、しっかりとした理解のもと問題を解いていることがうかがえます。また、「単位を揃えていない」という指摘についても、shelfallさんは「等式において、c(センチ)やm(ミリ)などのSI接頭語を合わせなければならないというルールはない」という見解を示します。
しかし、先生には娘さんの意図が通じず、「間違い」にさせられてしまいました。
確かに、単位の概念や問題への考え方の理解が生徒ごとにバラバラにならないようにするため、画一的な教え方をしなければならないという学校側の事情もあるでしょう。しかし、そのような方針もあるとはいえ、個人の考えが一方的に否定されてしまったことには、疑問を覚えてもおかしくはありません。
shelfallさんに詳しい話をおうかがいしました。
――このような単位の置き方ができることからみても、娘さんはかなり理解が進まれていると感じました。娘さんは算数や学校の勉強全般が得意なのでしょうか?
shelfallさん:小さい頃から本や図鑑を読むのが大好きで、知識欲が強いというのが親としての印象です。数学的センスはある子だとは思っていますが、実は全国統一小学生テストでは国語の方が成績が良いです(笑)。
――先生から間違いだと指摘されてしまったことに対して、娘さんはどのような反応を示していましたか?
shelfallさん:先生の「この式では答えは8にならない」という誤ったコメントに混乱していましたが、娘が正しく先生が間違っている旨を伝えたところ、安心していました。
――shelfallさんからみた、先生の印象について教えてください。
shelfallさん:悪意があるわけではないと思いますが、考え方が古かったり、自分のやり方に固執している印象の強い先生です。指導に疑問を持ったのは今回が初めてではありません。例えば、「筆算の時に、繰り上がりや繰り下がりの数字を書いてはいけない」という指導を行ったせいで、娘の計算ミスが増えたことがありました。その時はちゃんと連絡し、書きたければ書いても良いということで丸く収まりました。しかしその後、先生が娘を呼び出し、理不尽に叱ったそうです。そういったことがこれまでにも複数回あったため、娘と相談し、今回は文句を言わず、娘が大人になることに決めました。
――今後、先生に求めたいことは?
shelfallさん:「①“解き方”ではなく“考え方”を重視した指導をすること」、「②児童・生徒の考えがわからないときは、安易に否定せず、本人に聞いたり、他の有識者と協議して理解に努めること」の2点です。
(①について)小学校や中学校の算数・数学の授業では「式を作り、答えを求める」という順番を正として問題の「解き方」を教える傾向がありますが、それでは不十分だと考えます。高校以上の数学では、時に「直感的に求めた/予測した答えに対し、その裏付けを論じる」という流れもごく一般的ですし、社会に出れば決まったやり方では答えにたどり着かない、あるいはそもそも答えが無いような問題にたくさんぶつかります。算数を含む義務教育課程で重要なのは、将来あらゆる問題に立ち向かうために、「自分で考える」習慣をつけること、そして考えるにあたっての引き出しを増やすこと(=知識を身に着けること)だと考えています。
(②について)教師といえども、常に子どもの考えが理解できるわけではありません。子どもは、大人には思いもよらない独自の考えを持つことがあります。その時にいきなり否定してはいけません。どうしてそのように考えたのか、理解してあげることが大切です。今回のテスト問題では、娘の立式が理解できなかったのであれば娘に直接尋ねるか、同僚の先生に聞いてみてもよかったでしょう。「教える者は常に正しい」という認識を捨てることこそ、指導者として最初にすべきことではないかと思います。
――今回の件で、テストの解答について娘さんに伝えたことはありますか?
shelfallさん:これからも自分が正しいと考えたものを素直に書けば良いと思います。ですが、今回のテストに関しては、先生が間違っているということは伝えた上で、「生きていく中でこういう理不尽なことは少なからずある。次からは簡単な問題でも先生が授業で教えた式も書いて、できることをアピールしておこうね。それが社会で上手に生きる方法だから」というふうにも伝えています。なんだかんだ、子どもは点数が取れた方が嬉しいですからね。
◇ ◇
shelfallさんは、今回の件について自身のブログでも『割り算の本質が理解できない大人たち』というタイトルで紹介。娘さんの立式の正しさや、学校教育の問題点について、詳細に論じています。
また、まいどなニュースでは、以前にもshelfallさんについて「エプロンに刺繍された『謎の数式』解いてみたら…なんと愛のメッセージだった 超理系的な展開に胸キュン」という記事で取り上げさせていただきました。
■shelfallさんのX(Twitter)はこちら
→https://twitter.com/shelfall
■shelfallさんのブログ『割り算の本質が理解できない大人たち』はこちら
→https://shel-kimura.com/2023/10/03/1389/