レンタカーが迷惑駐車→出られないようギリギリ幅寄せ「駐車うますぎ」「対応の正解分からない」

山脇 未菜美 山脇 未菜美

駐車場や敷地内に、ほかの人に無断駐車されるケースが頻発している。岐阜県在住の男性も、被害を受けた一人。夜、契約している駐車場にレンタカーが置かれていたという。「他人事だと思っていたけど、まさか自分も同じ目に遭うとは…」と男性。下手に相手の車に触れると危ないと考え、取った手段は、数センチまで幅寄せして相手が簡単に出られないようにすること。SNSでも男性の行為も話題になっており、「駐車うますぎ」「ピッタリ感がえぐい」「対応の正解が分からない」と物議を醸している。

X(旧ツイッター)名、ごうじ(@ns_gouzi)さん。車関係の仕事をしている。迷惑駐車を発見したのは、9月30日午後7時ごろ。仕事からアパートに帰ると、見知らぬ車が駐車していた。「わ」ナンバーだったため、レンタカーだと認識し、すぐに警察に連絡。「相手の車が逃げられるようにか、後ろ側の間隔を開けていたのも嫌らしかったです。駐車場の目の前が道路なので、他に駐車できる場所もなく、通行の妨げにならないようにできるだけ幅寄せしました。知らない間に出て行かれるのも嫌だなと思って」と振り返る。

警察とレンタカーの持ち主の連絡が取れ、本人が現れたのは午後8時過ぎ。犯人は顔見知りで、「朝に少し借りて出ようと思っていたが忘れていた」と話したという。「何度も謝られて、菓子折りを持って謝罪したいと言われて許しましたが…。急いでいる時だと本当に困ります」とする。

無断駐車の対応には要注意を

では、無断駐車に直面した際、どのような対応を取ればいいのだろう。べリーベスト法律事務所の松井剛弁護士(36)によると、対応を誤ると、無断駐車をされている側が不法行為責任を問われる恐れがあるので、要注意という。

私有地への無断駐車は、民法709条の「不法行為」に該当する。ただ、法律では、権利を侵害された人が自分の力で被害を回復する「自力救済」が禁止されている。そのため、相手の車をレッカー車で移動したり、タイヤをロックしたりして傷や故障の原因になれば、逆に損害賠償を請求されるリスクも。「無断駐車厳禁!」と書いた貼り紙を貼り付ける行為も、張り付け方次第では器物損壊罪に当たる可能性があるという。

今回、男性の行為については「自力救済には当てはまりにくいと思いますが、相手の車を利用できなくしたとして、民法709条の不法行為責任を負う可能性はあります。もちろん、無断駐車をした人に対して損害賠償請求をすることはできますので、お互い様というところでしょうか」と説明する。

無断駐車は、被害金額より裁判を起こす費用の方が高くなり、泣き寝入りが多いそう。対策としては、「無断駐車には金○万円を申し受けます」などの表示を行い、駐車禁止を呼びかける方法が考えられるという。

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