目の前に車にひかれた猫が!治療費は?誰が飼う?でもとにかく病院へ…!→2400人が支援 多くを喪い、ようやく見つけた「家」

渡辺 陽 渡辺 陽

交通事故に遭った猫

よもぎちゃん(1歳・メス)は、2023年3月17日、宮城県在住のとともぎさんに保護された。

とともぎさんは、娘の卒業式に行こうと家を出ると、家の前の道路で車に轢かれ血を流しながら苦しそうに鳴いて倒れている猫を見つけた。

「近づくと顔中血だらけで、左眼は飛び出し呼吸も荒く、かなり危険な状態なのは明らかでした。
上空から数羽のカラスもよもぎを狙っていました。これはもうダメかもしれない。でも生きている。治療費はどうする?誰が飼う?と走馬灯のようにさまざまなことが頭を駆け巡り、私はただただ立ち尽くしていました。」

その日はたまたま私の妹達も近くにいたので話し合い、病院に連れて行ってから考えようと、すぐ病院に連れて行ったという。

「ショック状態が続きかなり深刻でしたが、病院の方々のおかげで一命は取り留めました。幸い内臓に大きなダメージはありませんでしたが顔面の損傷が激しく、眼球は突出し、顎がはずれ、足のには裂傷がありました。さらには詳しい検査で妊娠が発覚。事故のせいか心拍は確認できず、堕胎手術をしなければいけないとのことでした。」

しかし、まずは母猫の体力が優先なので、治療しながら様子を見ることになった。2日後、よもぎちゃんは自然分娩で3匹出産。また数日後1匹産んだ。まだ毛も生えていない赤ちゃん。死産だった。

「その後、よもぎの回復を待ち眼球摘出手術を受けました。膿が引かずしばらく入院した後、実家で少し見てもらい、その後、我が家で暮らすことになりました。」

とともぎさんは、よもぎちゃんを保護してから始めたSNSで、治療費のクラファンを教えてもらった。わずか2日で目標額を達成することができ、今も2400人のフォロワーが、よもぎちゃんの成長を見守ってくれているという。

願いがかなって

とともぎさんは、事故から1カ月半経って、よもぎちゃんを家に連れて来た。名前は、植物のヨモギが由来になっている。

「ヨモギには止血や消毒、健康回復を促す抗菌成分があり、昔から万能薬として使用されてきました。かなり危険な状態だったので『どうか助かってほしい、元気になってほしい』という願いを込めてよもぎと名づけました。」

よもぎちゃんは先住猫と仲良くなりたくてどんどん近付いていくので、今までどの猫も寄せ付けなかった先住猫トトちゃんともいつの間にか仲良くなっていた。

「いつも妹のようにトトの後を追いかけて、くっついている時もあればお姉さんのように毛繕いしてあげることもあります。」

安心しているのか寝る時はいつも半目で、普段のかわいい顔とは全く違う顔になる。可愛い顔とはギャップのあるハスキーな声も魅力のひとつだという。

「出会った時は不安ばかりがありましたが、たくさんの方々の応援でよもぎと私達の今があります。後から知りましたが、よもぎを轢いた方が市に電話をしていて、もう少し私が家を出るのが遅ければ連れて行かれる所でした。偶然が重なりよもぎと出会うことができました。そして行動すれば救える命があるということも身をもって知りました。」

よもぎちゃんは事故の怪我を乗り越え、とともぎさんのもとで元気に暮らしている。

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