悲しいはずの別れ 元の飼い主は一瞥することなく去っていった 譲り受けた犬は突発性てんかん 「安心して過ごせるようサポートしています」

渡辺 陽 渡辺 陽

携帯を見つめたまま犬を手放した元飼い主

ピーナッツちゃん(2歳・オス)は、ジモティーでピーナッツちゃんの里親募集情報を見つけた大阪府在住の中西さんの元にやってきた。

元飼い主の家の近くの公園まで出向いてピーナッツちゃんを引き取った。犬を手放す理由は様々。ピーナッツちゃんは飼い主の都合によって新しい家庭を求めていた。

「ピーナッツに初めて会った時、嘔吐した形跡がありました。『おそらく車に酔って吐いたんだと思います』と言われました。その後2時間かけて帰宅しましたが車酔いする様子はなく、毎週川に遊びにいく際、山道を含めた2時間以上の移動でも酔って吐いたことはありません。今にして思うと、ピーナッツはてんかんの発作が起きる直前に胃液を吐いたのだと思います。今でも嘔吐すると、そのまま倒れ込むように発作が起こります」

中西さんは続けた。「病気が分かって犬や猫を捨てる人はたくさんいます。てんかん持ちと書いてしまうと引き取り手が見つからないので、伏せたのかもしれません。その後てんかんの発作のことを知っていたのか尋ねましたが、『知らない』とのことでした」

別れの際、元飼い主は、「少しお散歩してから帰ります」と中西さん夫妻が告げても、携帯を触ってピーナッツちゃんを見ることもなくそのまま帰っていった。愛犬への愛など微塵も感じられなかった。

突発性てんかんだった

ピーナッツちゃんの名前の由来は、「チャコの海岸物語」の歌詞に登場するチャコとピーナッツから取られた。

先住犬のチャコちゃんとの初対面。ピーナッツちゃんはとても陽気でチャコちゃんはあっけに取られていたが、すぐに仲良くなれた。ピーナッツちゃんはとても甘えん坊で、遊び上手。犬の友達も人間も大好きで、明るく活発な性格だ。

「ピーナッツがうちに来てひと月ほどでてんかんの発作が起きて、散歩終わりに突然嘔吐し痙攣を起こし、グッタリ横たわってしまいました。何が起きたのかわからずパニックになってしまい、このまま死んでしまうの?と恐怖すら感じてしまいました。病院で様々な検査をしてもらい、突発性のてんかんの発作だということが分かりました。その後も1カ月半おきに発作が起きました」

中西さんは、どんなことが起きても冷静に対処出来るよう、知識を持ち、しっかりサポートしようと、あらためて責任を感じたという。

「普段から様子をよく見て、ピーナッツが安心して過ごしていけるように夫婦2人でサポートしていくつもりです。今はお薬も効いて発作も長期間起きていません。体調や気候など様々なことが影響するので、小さなサインも見落とさないように心がけています」

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