初めての野球観戦が人生を変えた…プロ野球チームの「マスコット」に沼った50代女性 シニアに広がる「推し活」

わたなべ こうめ わたなべ こうめ

あなたには「推し」はいますか?アイドル、俳優、キャラクター、作品などさまざまなコンテンツが増えているなかで、それらを応援する人たちの姿もよく見かけるようになりました。その熱量をもっているのは、若い人だけではありません。50代以上の、いわゆる「シニア世代」の間でも推し活を楽しまれています。

初めての野球観戦で「推し」にひとめぼれ!

Nさん(神奈川県在住、50代、コールセンター勤務)は現在、とある球団のキャラクターを推しています。きっかけは、息子(高校3年生)と数年前に観に行った地元球団の交流戦でした。夫(50代、営業職)が会社の関係で手に入れたチケットで、初めて野球観戦に行ったそうです。そこで、運命の出会いをしました。

「相手球団のマスコットキャラに、一目惚れしてしまったんです!選手を応援したり、観客に向けたパフォーマンスする姿が可愛くて、その日の帰りにはぬいぐるみを買って帰りました」

Nさんは野球については当時、ほとんど何もわかりませんでした。ルールも曖昧で、周りが盛り上がったら点が入ったのがわかるくらい。一緒に観に行った息子が説明してくれたそうですが、それでもよくわからなかったそうです。

「でも球場は楽しかったです。たまにテレビで野球中継を流していたけど、テレビではわからなかった熱気がありました。何より、マスコットやチアのパフォーマンスがあるのは知らなかったんです」

推しの姿を求めて遠征!推しのためにチームを応援!

それ以降、すっかりそのマスコットのファンになってしまったNさん。その球団は地元球団ではないので、ホームゲームのパフォーマンスを観るためにたびたび地方に遠征して応援に行くそうです。もちろん、目当てはマスコット。家ではそのマスコットが映っているYouTubeの動画をずっと流し、グッズも部屋にずらりと並んでいます。

「野球にほとんど興味がなかった私が、突然遠征してまで野球観戦に行くようになったので、夫も息子も驚いていました。でも応援しているのはマスコットなので、ちょっと呆れてもいました」「現地で応援する時はマスコットのカチューシャをつけています。カチューシャをつけているのは若い子ばかりなので家族はドン引きしていました」

Nさんは少しずつ、野球のルールや選手についても覚えていったそうです。チームが勝てば勝利パフォーマンスが観られるし、マスコットの出番も増えるので応援にも気合いが入るそうです。

シニアの「推し活」は世界を広げる

「新しいものを好きになるって楽しいですね。知らなかったことに触れる機会って、この年齢になってくると少なくなるし、興味ないものはそれで済ましてしまいがちになってしまうけれど、私はこの子に出会って世界が広がりました」と楽しそうに語るNさん。Nさんのように、今「推し活」を楽しむ50代以上の女性は増えているそうです。

女性誌を発行するハルメクホールディングスの「ハルメク 生きかた上手研究所」が2022年8月に公表した「シニアの『推し』に関する実態調査」で、50〜84歳の女性約600人にアンケートをとった結果によると、その35.3%が「推しがいる(ある)」と回答しています。そしてNさんのように、推しを追いかけることで、さまざまな影響を受けた人も少なくありません。

アンケートによると、約8割が「推しができてかわった」と回答しており、多くの人がポジティブな変化があったことも述べています。行動の広がりだけでなく、「新しい目標・夢ができた」「笑いが増えた」など、内面的にも良い影響があったと、約3割の人が回答していました。

いつまでも「好き」の気持ちを大事にできる生き方、あこがれますね!

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【出典】
▽ハルメク 生きかた上手研究所調べ|あなたには、現在「推し」ている人・もの・ことがありますか?
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000034765.html

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