店頭に並べわずか1日で完売
人気に火を付けたのは、名古屋市守山区の雑貨店「注文の多い雑貨店」(名古屋市名東区一社一丁目121番地 井上ビル1F東)。
同店担当者は、ミニチュア版の存在を知り一目惚れ。店の公式ツイッター(現X、@the_knick_knack)に「本物の紐を使ったミニチュアのコイツに惹かれました。グリップの中に名前が書けますので、鞄や靴とかに結んで名札代わりに、鍵に結んでキーホルダーに。同じものが一つとして無いバリエーションが圧巻」と写真付きで紹介すると、瞬く間に拡散しました。
同店担当者はSNSでの反響の大きさに「まさかの反応に驚いております」。店頭に並べると、1日で売り切れてしまい、「すごい売れたなあ」と感心していたそう。投稿翌日になってSNSをチェックすると、通常とは桁違いのいいねが寄せられており、「道理で…」と納得。その後も追加入荷するたびに即完売をくり返しており、定番商品として取り扱うことを決めたといいます。担当者は「流行り廃りがない商品なので、末長く販売したい」と話しています。(店頭在庫は変動する場合あり)
バッグのチャームに、ビニール傘の目印に
国内初の塩ビ縄跳びは1957(昭和32)年、ベルテック代表取締役の鈴木創梁さんが開発。1961(昭和36)年には螺旋模様のビーズ縄跳びを開発、販売しました。
ミニチュア版を考案したのは同社専務取締役の鈴木啓子さん。螺旋模様の縄跳びの開発60年を記念して制作を思い立ちました。型作りなどの準備を進める中、世界的に新型コロナウイルスが拡大し、ミニチュア版に込める思いをより強くしました。「コロナ禍となり、お友だちや遠くに住むご家族など、会うのもままならない人たちがお互いにミニチュアを持つことで、人と人を繋ぐなわとびにしたいと考えました」(鈴木啓子さん)
ところが今度は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が勃発。鈴木さんは縄跳びメーカーとしてできることがないか考え、準備中のミニチュアをウクライナの国旗と同じ青と黄色の組み合わせにすることを思い付きます。
「戦争によって一生をかけて作ってきた日常が奪われた人々のために、まずはミニチュアをウクライナカラーにして身に着けることで、微力ながら平和への願いの主張と寄付ができるのではないかと考えました」(鈴木啓子さん)
社内の女子社員たちは、ウクライナ支援の寄付をした人にガチャガチャをまわしてもらうことを提案し、会社の事務所内に機械を設置。ガチャガチャの売り上げは、名古屋市内のウクライナ避難民支援事業寄附金に全額寄付しました。
その後、ミニチュア縄跳びのかわいらしさは口コミで広がり、全国への販売に乗り出しました。ちょうどこのタイミングで、前出の雑貨店のSNS投稿がバズり、弾みにもなりました。
「定番商品のなわとびと同じようなOPP袋に入れて製品化しました。グリップの中の小さな名札には名前が書けます。バッグや傘、シューズなどにチャームとして使えます。私もビニール傘に付けて目印にしています。ヘアアクセサリーにしたり、仲良しの人とおそろいで持ったり、ちょっと温かくて懐かしいグッズとして身に着けていただけるとうれしいです」(鈴木啓子さん)
株式会社J-ROPEの通販サイト「PEACE-ROPE」で販売中。同サイトのミニチュア縄跳びはカラビナ付き。税込み385円。