実はスカートの中にはこんなものが入っていました―。アニメを原作にした舞台アイドル衣装の着付け動画が、「再現度が高すぎる」とX上で話題になっている。フリルの付いた造形パーツを10個取り付けていく映像で、完成時にはボリュームたっぷりのスカートに変身。衣装の総重量は2.1キロ。「激しく踊っても型崩れしません。重力・遠心力と戦いながら作っています」と制作者。マネキンのよう2次元衣装を、人間に合わせて作る舞台裏を覗いた。
話題の衣装は、アニメ「キラッとプリ☆チャン」の主人公役を演じた声優・林鼓子さんがライブステージで着用しているもの。白いブラウスに、波打つピンク色のスカートが印象的。2018年に、衣装アトリエ「DATTO」の代表・山下絵里子さんらが担当した。
全部、洗濯機で洗えます
「二次元ものを実写化する上で、大前提として俳優さんが歌って踊れることを大切にしています」と山下さん。動きやすいように伸びる素材を使ったり、ターンをした時に装飾物が落ちないように付け方を工夫したり、背中メッシュにして暑さ対策をしたり…。手足や胴体の長さが2次元と異なるため、スタイルが悪くならないように、デザインの一部を省くこともあるという。
今回のスカートのポイントは、ベースの裾を固定したワイヤー。ワイヤーに乗せるかたちで造形パーツを設置しているため、重力で沈まない構造になっている。「ステージでは大量に汗をかくので、洗濯機で洗えるのも必須です。造形パーツは一個一個ボタンで取り外しできるようにしています」。動画の反響は大きく、「完璧なシルエット」「ふわふわを作る人とふわふわを見せるアイドルすごい」などの声があった。
複数回のフィッティングを繰り返し、完成する衣装。軽めの素材を使っていても、多少は重くなってしまうという。「ジャージで踊る方が楽だろうし、大変だと思います。それを感じさせないくらい軽やかに踊ってくれるのですごいです」と山下さん。アイドル本人がお気に入りと言ってくるのはもちろん、アイドルのファンの方が『〇〇ちゃんサイコー!』と喜んでくれるのがうれしいという。