ドラァグクイーンによるドラァグクイーンショウイベント「GATHERING」とは!?

仲谷 暢之 仲谷 暢之

関西を中心にメディアで活躍中のドラァグクイーン、フェミニーナがオーガナイズするイベント「GATHERING(ギャザリング)」

総勢15名の個性あふれるドラァグクイーンが一堂に会し、濃厚なるパフォーマンスを繰り広げるというもので「ドラァグクイーン好きのための、ドラァグクイーンによる、ドラァグクイーンショウ」というキャッチフレーズが印象的だ。ドラァグクイーンの決定打とも言えるイベントを取り仕切る彼に話を聞いた。

※ドラァグクイーンとは女性を過剰に表現してリップシンク(口パク)などをするパフォーマーのこと

――このイベントを企画されたきっかけは?

フェミニーナ(以下フェミ):昔からドラァグクイーンが関与したりしているクラブイベントやディナーショウなどいろんなタイプのイベントがあるんですが、それらに出演させていただいていたりするうちに、これまでにないタイプのイベントをやってみたいなと思ったんですね。

そういえば、自分はドラァグクイーンやのにドラァグクイーンが大好き。出演していないイベントでも見に行ったりするんです。その時はショウはもちろんですが、メイクを見るのも、衣装を見るのも、ウィッグを見るのも好き。それらを考えてるうちにふと頭に浮かんだのが、今回のキャッチフレーズにもなっている「ドラァグクイーン好きのための、ドラァグクイーンによる、ドラァグクイーンショウ」だったんです。

――それまではドラァグクイーンがオーガナイズしたイベントはなかったんですか?

フェミ:もちろんありましたが、今回のようにショウがメインとなったものはほとんどなかったと思います。

――開演時間も夕方の5時からというのが新鮮です。

フェミ:クラブでこういうイベントをやるとなったら、夜9時くらいから朝方までやってるってイメージしてしまいますもんね。YouTubeをやり始めて、どういうファン層の方たちに見られているのかデータで見れるんですけど、大体30代~50代の女性だったんですね。そんな方たちって子育て世代も多いじゃないですか。普段、家のことでバタバタと走り回ってらしたりしてる方たちのちょっとした自分のための時間に、フェミニーナのYouTubeを見て息抜きとかしてくださってる。もちろんバリバリと仕事をなさってる方たちも然りで、「普段我慢してるんやから、たまには自分のために遊んでもいいじゃないか」という大義名分のさらに言い訳じゃないけれど、開演時間が夕方からだから行こうというのを理由にしてもいいんちゃうかなと思ったんです。

あと、イベントをするならチケット枠で「アンダー20」というのも作りたくて、今回設定したんです。10代の子からもドラァグクイーンのショウを見てみたい、自分もやってみたいって言われたりするんですけど、時間的に無理じゃないですか。でも夕方からなら足を運んでもらえますし、なんなら親子でも来ていただけますし。ただ、「子どもが自主的に見たいのならOKですが、親が無理やり連れてきてドラァグクイーンに触れさせるのはやめてください」っていうのはYouTubeでも話しているんで、そこはくれぐれも気をつけていただきたいです。

――フェミニーナさんを含め、15人ものドラァグクイーンが出演しますが、数多いる中からこの15人をキャスティングしたのは?

フェミ:踊るクイーンさん、ナチュラルメイクのクイーンさん、「ル・ポールのドラァグ・レース」的なクイーンさん、日本で昔からあるようなマルチになんでもやるクイーンさん、女性のクイーンさんという、5つのカテゴライズでキャスティングしました。

踊るクイーンさんは東京から来ていただく枝豆順子さんと、大阪で活躍しているOZさんなんですけど、クイーンを知らない人にはちんぷんかんだと思いますがご了承ください(笑)。

お二人は、いわゆる既製の曲で口パクパフォーマンスをする時にそのアーティストの踊りを完コピするのではなく、オリジナルの振り付けでパフォーマンスしはるんですよ。これがね、本当に見惚れるくらい素晴らしくて。

そしてナチュラルメイクのクイーンさんはこれも東京からのイズミ・セクシーさんという方。

「青!赤!緑!つけまつ毛ドーン!」みたいにコテコテメイクじゃなくてあくまでもナチュラルなメイクなんですけど、反面ショウはクセが強くて、そのギャップに惚れてのキャスティングです。

「ル・ポールのドラァグ・レース」的なクイーンさんはNetflixで配信されているドラァグクイーン育成番組に出てくるようなクイーンさんで、大阪在住の外国人クイーン、ベルマ・ベルさんとキラキラさん、「相席食堂」という番組でも話題になった静岡から加藤アゴミサイルさんと、クイーン界でもっとも身長の高いセレスティア・グロウンさん。

会場ではフォトスポットも設けるんですが、そこでクイーンさんたちと一緒に写真を撮れたりもするんですが、そこに海外クイーンと、高身長クイーンがいたら、もうバえるしかないですから。もちろんショウも素晴らしいんです!

そして日本で昔からあるようなマルチになんでもやるクイーンさん枠では「月曜から夜ふかし」でもおなじみの名古屋のアンジェリカさんと、東京からの美容クイーンのリル・グランヴィッチさん、そして大阪の同世代で切磋琢磨してきた野球をするクイーンとして「相席食堂」でも話題になったイルローザさん、若手のビッチョリーナさん。

アンジェリカさんとリル・グランヴィッチさんは自分より先輩なんですけど、このお二人のショウ、喋りは日本のドラァグクイーンならではだなぁと常々思っていまして、ぜひ皆さんに知っていただきたくて。

そして女性のクイーンさんはチョモランマ・ルナ子さんなんですけど、実は彼女はMr.マリックさんの娘さんで本職はアーティストさんなんです。

そんな彼女はサマンサ・アナンサさんと枝豆順子さんとともに、D3というユニットを組んでらして、オリジナルソングまで作っているという、日本では異色のトリオ。

こんな感じで新しいスタイルのクイーンさんたちもいるんだよってことで、この5つのカテゴリーを頭に入れておいていただいたら当日もさらにドラァグクイーンを堪能していただけると思います。

そして今回は1時間ショウタイム、1時間休憩、そして再び1時間ショウタイムという、これまでこういうクイーンのイベントにはなかったスケジュールで、この休憩時間に、コロナ禍ではなかなかできなかった、クイーンさんたちと会場内で交流を深めていただけたらと思っています。

先程も言いましたが、自分はドラァグクイーンですけどドラァグクイーンさんがショウをやっているのを見るのが好きなんです。だからこそYouTubeでファンになっていただいた方も含めて、映像では体感できない、リアルなところに来てほしかったんです。コロナ禍中にドラァグクイーンという存在を知った方も、ぜひこの機会に会いに来て欲しいですね。

◇ ◇

「GATHERING」
https://lit.link/gathering
9月17日(日)
17:00~22:00
CLUB PICCADILLY UMEDA OSAKA
チケット/当日スタンディングエリア5000円(W1D)
前売/スタンディングエリア3800円(入場時1D別途700円必要) 
U-20/1800円(入場時1D別途700円必要)※未就学児は入場不可、小学生~中学生は保護者同伴
出演/アンジェリカ、LIL′GRAND–BITCH、イズミ・セクシー
穴野をしる子、D3(Samantha* ANANSA、枝豆順子、チョモランマ・ルナ子)
OZ、IL ROSA、Petty Bichorina、Cerestia Grown、加藤アゴミサイル、Velma Belle、Kira Kira、femmininaほか

フェミニーナ
1984年大阪生まれ。大阪を拠点に2008年クイーンデビュー。
水泳インストラクターの経験を生かし、学生時代はウォーターボーイズとしてショウにも出演していたスポーツマン。らっきょうと数の子と辛いもの好き。現在「本日はダイアンなり!シーズン2」(ABCテレビ)などに出演中。
YouTube 気まぐれチャンネル:https://www.youtube.com/@femminina
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/femminina1125/
Xアカウント:https://twitter.com/femminina_

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