「思ってた以上に吠える」ペットショップで購入後10日で飼育放棄された子犬 「飼い主の無知」による悲劇が多すぎる

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

「飼育資格制度」や行政主催の「飼育講習」の導入を

ーーなぜこういった悲劇が起きるのでしょうか?

「犬や猫について何も知らない人間が飼うから、こういう悲劇が起きるんです。ペットショップがデメリットをちゃんと説明しないことも、原因のひとつだと思います。僕自身が昔ペットショップを経営していたからわかるのですが、店側は売りたいですから、しつけなんて簡単ですよ、誰でも飼えますよ、といったことしか言わないんです。

でも実際は、例えば、ラブラドールを飼ったからといって、しつけもトレーニングもなく盲導犬や警察犬のようになるわけではないですよね。そこをまったく考えずに、ラブラドールやトイプードルを飼えば、何もしなくてもテレビやネットで見る子たちのようになる、と思ってる方が結構いるんですよ。そこが大きな間違いなんですよね。だから、思ってたのと違う…ってことになるんです」

ペットショップを責める前に「飼う側」の意識を変える

ーー無責任な飼育放棄を防ぐには、どんな対策が必要でしょうか?

「よく、”ペットショップが簡単に売るからだめなんだ”という方がいらっしゃいますが、そこをショップ側に求めても仕方ないんです、商売ですからね。トイレのしつけには根気がいりますよ、ちゃんとしつけないと噛む犬になりますよ、といったデメリットを説明すれば、じゃあ買いません、ということになりますから。だからまずは、飼う(買う)側の意識を高めてもらうことが重要なんです。

そのためには、誰でもすぐ飼える(買える)現状を変えるべきだと思います。例えば、ペットの飼育を資格制度にする、もしくは、行政が行う数時間の講習を受けた方でないと飼えませんよとか、そういった形になればかなり防げるはずです。我々も、『飼う前にもう一度しっかりと考えて』といったメッセージを書いたビラを配ったりしていますが、そういった啓蒙・啓発も必要だと思います。できればペットショップ側にも、デメリットを含めてしっかり説明してもらえたらと思います。購入者のためのしつけ講習を開催したり、買う方に制限をつけるような動きになるよう、ペットショップ側に立ち上がってもらえたら、いい方向に変わっていくんじゃないかなと思います」

「命」を最後まで預かる責任と覚悟を

センター長さんによると、今回投稿されたミックス犬の女の子は、「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」東京支部の方で、里親を探しを行う予定だという。

コメント欄には「動物は生き物。時には粗相もするし、言うことを聞かないこともある。小さな子供と一緒」という声も寄せられていたが、犬のしつけには飼い主側の根気や時間が必要だ。

「犬の気質というのは、生まれ持ったものが2~3割で、後の7~8割は環境と育て方だと言われています。それだけ飼う人間の意識が大切なんです。今はYouTubeにもしつけやトレーニングの動画がいくらでもありますから、そういうものを参考にしてみるもいいですし、ちょっとお金はかかりますけど、プロの手を借りたり、パピー教室やしつけ教室に通ってみるのもいいと思います」(センター長の保護犬保護猫活動日記さん)

「しつけが出来ない」「家族がアレルギー」といった理由の他にも、転勤や引っ越し、離婚、転職などを理由に、ペットの飼育を放棄する人も後を絶たない。

犬や猫の寿命は約10年〜20年。その間、引っ越しや転勤、転職、家族構成の変化などがあった場合も飼育が継続出来るか? また、飼い主自身の事故や病気など、もしもの際の後見人やお金の準備は出来ているか? ペットを飼いたいと思った時は、自身のライフプランをきちんと考えた上で決断してほしい。

■「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」

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