9月1日は「防災の日」です。そして、今年の9月1日は、1923年9月1日に起きた「関東大震災」からちょうど100年を迎えます。
1923年9月1日に「関東大震災」が発生したこと、9月は台風が日本へ接近・上陸しやすく、災害が発生しやすい時期でもあることから、広く国民が災害の知識を深め、備えを強化することで、災害の未然防止と被害の軽減に繋がるようにするために、毎年9月1日は「防災の日」とされています。
住んでいる地域や年齢によっては、幸いなことに大きな災害を経験したことが無いという方もいます。しかし、地震や台風を始め様々な災害はいつ、どこで起きるか分かりません。
日本気象協会では、様々な災害に対する防災の知識や、日頃の備えを伝える「tenki.jp知る防災」プロジェクトを推進しています。そこで今回は、東京都公園協会のご協力のもと、協賛いただいている企業のご担当者さんとともに、都内にある防災公園について学んできました。
『防災公園』って知っていますか?
東京都内では、都立公園58カ所が「避難場所」とされているほか、35カ所が「大規模救出・救助活動拠点」や「ヘリコプター活動拠点」などに指定されています(2020年12月現在)。東京都建設局の所管する公園ではこれらを『防災公園』と呼んでいます。つまり『防災公園』とは、平常時は皆さんの憩いの場、災害時は“避難場所”となり、災害から命を守る場所なのです。
“避難所”は良く耳にするけれど“避難場所”はあまり聞き慣れませんよね。“避難所”と“避難場所”はそれぞれ役割が異なり、“避難所”は被災後、自宅に戻れなくなってしまった場合などに一時的に暮らす場所のことで、“避難場所”は、災害が発生したときに自分の命を守るためにまず緊急的に逃げる場所のことです。
防災公園である舎人公園にやってきました!
防災公園の役割を学ぶために、今回、私たちが訪れたのは、東京都足立区にある舎人公園です。まず、お邪魔したのは、公園の中にあるサービスセンター。舎人公園の副センター長である塩井拓馬さんにたくさんお話をお聞きしました!
災害時には、サービスセンターにあるデジタルサイネージで、避難場所や一時滞在施設、医療機関や給水拠点となる場所を示した近隣の施設情報の他、避難施設の開設状況が表示されます。その他、大きな地震が発生した時には、園内に発生した被害状況などについてもお知らせが表示されるそうです。
ベンチが○○○に!?早速、公園内の防災設備を見せてもらいましょう!
サービスセンター以外にも、園内にはいざというときに役立つ、様々な防災関連施設があるとのこと。早速、塩井さんにご案内いただきました。
たどり着いた先は、サービスセンターの近くにある一見何の変哲もないベンチ。通常はベンチとして使用されますが、災害時には座っている部分を取り外すと、【かまど】になるのだそうです!早速、協賛企業のコールマン辻本さん、ニッスイ増原さんにお手伝いいただきながら、組み立ててもらいました!
火起こしには、園内で剪定した枝を利用するのだそうです。このかまどでは暖を取ったり、お湯を沸かしたりすることができるそうで、特に寒い冬にはとても安心できますね。
災害時には、かまどベンチのように電気やガスに頼らない火起こしや暖を取る手段が必要になってくることが想定されますが、コールマンの福士さんに、コールマンさんのキャンプ用品の中で役立つ防災グッズはあるのかお聞きしました。
コメント:コールマン 福士裕介さん
バーナーやランタン、バーベキューグリルとか焚き火台があります。実際に東日本大震災の時は、寒かったので、カセットコンロやシングルガスストーブで調理をしながら煮炊きをして、暖を取る方が多かったです。
LPガスやホワイトガスを使用するランタンは明かりを灯しながら暖を取ることもできます。燃焼するので暖かさを感じることができるんです。
また、福士さんは、キャンプ道具を防災備蓄として保管しておく方もいらっしゃるのですが、普段から使い慣れておくことの大切さも教えてくださいました。いざというときに、使い方が分からないと困ってしまいますよね。キャンプ用品は普段はレジャーで楽しく使って、いざというときにも役立てる、というのが良いですね。
また、ニッスイの増原さんには、食料の備蓄に関して、備蓄にぴったりの商品があるかお聞きしました。
コメント:ニッスイ 増原有紀さん
おすすめは、お魚のソーセージです。お魚のソーセージは賞味期限も製造日から150日間と長く、常温での保存が可能な商品となっています。食べるときにそのまま剥いて、ワンハンドで食べられるので、衛生的です。また、カルシウムやたんぱく質といった栄養素も取れるので、おすすめの魅力の一つとなっています。
栄養がしっかりと取れて、常温保存できる商品は備蓄にぴったりですね。
マンホールに秘密あり!マンホール型○○○!
次に私たちがやってきたのは公園内の手洗い場のそば。災害時の心配事の一つがトイレですよね。舎人公園には、インフラが寸断されてしまったときでも利用できる設備を整えているのだそうです。手洗い場の近くに何個もあるマンホール。塩井さんによると、災害時に蓋を外して、便器を取り付けると、トイレとして利用できるようになるとのこと。
今回は、クリクラの松田さんとFDKの鈴木さんにお手伝いをいただき、組み立てを行いました。
トイレひとつひとつにテントを張ることができ、出入り口の部分も中からチャックでふさげるので、これなら安心して使用できそうです。
災害時は、生活用水や飲料水の確保がとても重要になってくると思いますが、ウォーターサーバーを扱っているクリクラの松田さんに、自宅での水の備蓄に関してはどのように考えられているか、お話をお聞きしました。