5年間、繁殖場で子どもを産むためだけに生きてきたワンコがいました。ダックスのワッフルというメスのワンコです。繁殖させられるとき以外はほとんど外に出されることはなく、ずっとケージの中で過ごしていたそうです。声帯を切られており、かすれた声しか出ませんでした。
いつもスタッフの後ろをくっついて歩く
ワッフルを保護したのが、犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)です。保護犬の多くはワッフルのようにかわいそうな過去を持つケースが多いですが、リアンにはその過去を忘れさせてくれるような明るく優しい献身的なスタッフさんばかりで、愛情をたっぷり注がれたワンコたちはいつも楽しそうに過ごしています。
そんなリアンの預かりスタッフさんの家に迎えられたワッフルは、「この人は私をかまってくれる人」と察したのか、すぐに馴染み甘えてくるようになりました。
いつも人間にくっついて歩くので、「ワッフルを踏まないようにするのが大変です(笑)」とスタッフさんは笑いますが、5年もの時間をケージの中で過ごしていたワッフルは、この環境にいられることをとても喜んでいるようにも映ります。
「人間に近寄りすぎ問題」で写真をうまく撮れない
いつもくっつくので、写真を撮ろうとスマホを構えると、どんどん近寄ってきてしまうため、その表情をうまく撮影することができません。「もうワッフル! 写真ちゃんと撮らせてよー」と笑うスタッフさんでしたが、そこまで寄ってきてしまうほどワッフルは人間が大好きなのです。
甘えん坊ぶりを発揮するワッフルですが、苦手なものもあります。それはお散歩中のリード。リードを少しでも張るとパニックを起こし、「怖いよー!」と言わんばかりに固まってしまうことがあるのだそうです。
そのリードが張らないように歩けば、上手にお散歩もできます。好奇心も旺盛で、お散歩中は穏やかな表情で、目に入るもの、匂いがするものを楽しんでいる様子です。こういったことも、ワッフルが過ごした暗いケージの中では、ずっと体験させてもらえなかったことです。
今度はワッフルが幸せを掴む番!
「元繁殖犬は美人が多い」という説がありますが、ワッフルも見ての通りの美人さん。前述のような甘えん坊ぶりと、穏やかな性格を考えれば、優しい里親希望者さんと出会える日もそう遠くないように思います。
ワッフルと一緒に引き出されたダックスの保護犬は一足先に新しい家族を見つけ、リアンを卒業していきました。次はいよいよワッフルの番です。ワッフルは、いっぱい甘えさせてくれ、いつも近寄らせてくれる里親希望者さんとの出会いを待ちながら、今日も優しい預かりスタッフさんの家で穏やかに過ごしています。
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