実は「有効期限」があるって知ってた?…事故や故障時に使う「発炎筒」の基礎知識

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

助手席の足元まわりに置かれていることが多い発炎筒ですが、実は「有効期限」があったことをご存知でしょうか。最近は、有効期限切れの心配がない、LEDタイプの非常信号用具も増えてきており、そちらに交換される方も多いようです。

車載義務がある発炎筒

発炎筒の正式名称は、「自動車用緊急保安炎筒」といいます。

道路運送車両法には「灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない」と義務付けられており、発炎筒はこの「非常信号用具」であるため車載義務があるのです。

「非常信号用具」を常に車載しておくことで、非常時に周囲へ危険を知らせることができます。

発炎筒と発煙筒は全く別物!

発炎筒はしばしば「発煙筒」と誤解されますが、以下のように全く別物です。

・発炎筒…炎などによって強い光を発生させる
・発煙筒…大量の煙を発生させる

道路上で煙を発生させては、むしろ危険を招くことにも繋がりかねません。読み方が同じなので、インターネットで検索する時など間違えないように気を付けましょう。

車検で求められる発炎筒の条件

発炎筒の車載は義務ですので、これが搭載されていない場合は車検に通りません。

また車に搭載するのは、以下のように保安基準を満たす発炎筒でなければなりません。

・夜間に200m離れた距離からも確認できる赤色の灯光を発する
・自発光式である
・使用に便利な場所に装備されている
・振動や衝撃があっても、損傷を生じたり作動しなかったりしない
・その他、JISの「自動車用緊急保安炎筒」の規格と同等程度の性能がある

火薬式発炎筒の有効期限は4年

従来からある発炎筒は、一般に有効期限が4年と設定されています。そのため、新車で購入した場合、2回目の車検である5年目車検の時には有効期限が切れているはずです。

有効期限は、発炎筒の本体部分に大きく書かれていることが多いです。「発炎筒を交換した記憶がない」という場合は、期限を確認してみましょう。

▽有効期限が切れていた時は…

車検時にチェックされる保安基準には、発炎筒の有効期限は記載されていません。そのため、発炎筒の有効期限が切れていても、車に設置されていれば車検に合格することが多いようです。

しかし、「性能が著しく低下している可能性がある」と車検時に期限切れを指摘されるケースもあるようです。

いざという時の安全を守るために重要なものですので、有効期限が切れていたら新しいものに交換しておきましょう。

LED式なら有効期限なし!

火薬式の発炎筒は4年で有効期限が切れてしまうため「気づいたら期限切れだった」というケースも珍しくありません。

そこで最近では、有効期限がない「LED式の非常信号灯」も増えてきています。そのほかにも以下のようなメリットがあります。

・10時間以上の連続点灯が可能
・煙が出ないのでトンネル内でも使用ができる
・使い捨てではなく、何度でも使用可能

▽LED式発炎筒の価格はいくらくらい?

上記のようなメリットがあるLED式の発炎筒ですが、価格も以下のようにそれほど高くありません。そのため現在のものの有効期限が切れそうな場合は、積極的に検討してみてください。

・火薬式の発炎筒…500~2,500円
・LED非常信号灯…1,000~2,000円

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【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

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