北海道を拠点に多くの犬猫の保護活動を行認定特定非営利活動法人HOKKAIDOしっぽの会(以下、しっぽの会)。行き場を失ったワンコや、殺処分対象となったワンコを引き取り、新しい飼い主へと譲渡する活動を行っています。
さまざまな場面でのワンコの保護を行っていますが、2020年以降、特に尽力しているのが、北海道滝上町エリアでのワンコたちの保護。このエリアには、山中に捨てられたワンコへの無責任な餌やりにより、繁殖が進み増え続けており、しっぽの会ではこれまで多くのワンコを保護してきました。
ただし、滝上町にいる半野犬に共通する「人間への強い警戒心」もあり、現時点では全頭の保護に至っていません。2022年秋、その滝上町で生まれて間もない子犬8頭がいることを確認。これから本格的な冬を迎えることを考え、小さな命を守ろうとスタッフはこの子犬たちを保護しました。
保護当初は、体に寄生虫がたくさんついていた子犬たち
保護された子犬たちは母犬と一緒に、廃屋の縁の下をネグラにしていたようです。そのせいか体にはノミ、シラミ、ダニがたくさんついていました。さらにお腹の中には回虫もおり、産まれたばかりの子犬たちがいかに過酷な環境で生活していたかと考えると、スタッフは胸を痛めました。
保護した子犬たちを全頭ともに治療した後、きょうだいそれぞれに人馴れトレーニングを実施することにしましたが、1頭ずつ接するうちに、性格や特徴の違いを感じるようにもなりました。このうち、特に活発で明るい性格だったのがジャンと名付けられたオスのワンコです。
凛々しい姿の一方、抱っこおねだりでギャップ萌え
イケメンのルックスに反して、半野犬特有のビビリはあるものの、順応性が高く、きょうだいの中でもいち早く「お手」「お座り」「待て」などを習得してくれました。
遊ぶことももちろん大好きで、ドッグランはもちろん家の中でもとにかくよく走り回ります。ときに冬の北海道で、高く積もった雪山の上で「スクッ」と立ち止まり凜々しい姿を見せたかと思うと、ハーネスを着せようとするスタッフの肩を両前足でチョンチョンと乗せ、抱っこのおねだりをするキュートな一面も見せてくれます。見た目と行動のギャップにスタッフもメロメロです。
イレギュラーな事態にパニックも
現在、ジャンは里親さんを募集しています。
ここまでの紹介の通り、安心できリラックスした環境であれば、ジャンが持つ本来の明るい性格や賢さを発揮してくれるはずですが、その一方、根っこにあるビビリな一面はまだまだあります。
つまり、ジャンの想定を超えたイレギュラーな事態が起きればパニックを起こす可能性があり、脱走や逸走の危険もゼロではありません。ジャンの性格を理解してくれ、根気強く向き合ってくれる落ち着いた家庭のへの譲渡が望ましいとスタッフは言います。
まだ生後1年にも満たない滝上町出身のジャン。これから10年以上生活を一緒にしてくれる里親さんと出会える日が、1日も早く訪れるよう願うばかりです。
認定特定非営利活動法人HOKKAIDOしっぽの会
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