実家の庭で生まれ育った子猫たち 「うちの家族になってみる?」 やきもち焼きで甘えん坊な2匹との毎日

渡辺 陽 渡辺 陽

庭に遊びに来た母猫

とら吉くん(8歳10カ月・オス)と栗ちゃん(8歳10か月・メス)は兄妹。野良猫が産んだ子で3匹きょうだいだった。

2014年春、 東京都に住む堀野さんの実家の庭に 妊娠している野良猫が頻繁に来るようになった。猫好きのお母さんが、ずっと母猫の様子を見守っていたという。2014年5月1日、 母猫は無事に出産し、 3匹の子猫が生まれたそうだ。そのうちの2匹がとら吉くんと栗ちゃんだった。

堀野さんの両親は 母猫が子育てする様子を見守りながら、赤ちゃん猫たちの今後を考えた。その結果、「 母猫ともう1匹の子猫は我が家で見守る。 後の子猫2匹を家族に迎えてくれないか」と堀野さんに相談してきたという。

当時堀野さんは、結婚したばかりで一軒家に住んでいた。

「実の娘なので、いつでも猫たちの様子を確認できるし絶対安全。こんないい引き取り手はいないと思ったのでしょう。 しばらく主人と相談して考えた結果、家族に迎える決心をしました」

実家にはもともと先住猫がいたため、ご両親も「家族に迎え入れるのは慎重に」と思っていた。すぐには家に入れず、お母さんが庭で過ごす親子を見守り、保護する機会を伺っていた。しかし、その間に母猫は交通事故に遭って、死んでしまった。

「それをきっかけに、もう一匹の猫はなんとしてでも守らなければ、と母は子猫を家に迎えました。一時期は、先住猫がストレスを抱えてしまったそうですが、今ではすっかり家族や先住猫にも慣れ親しみ、母に甘え倒しています」

可愛い子猫たち

とら吉くんと栗ちゃんを両親が保護したのは2014年7月中旬。庭で遊んでいた兄妹2匹を 虫取り網で保護して、堀野さんのところに連れてきたという。

堀野さんは動物は大好きだが、猫を迎えたら旅行に行けなくなる。 そして何より必ず辛い別れがやってくる。こうした現実が分かっていたので、 一度は両親に断った。 しかし実家に行った時に、庭で楽しそうに遊んでいる子猫たちの姿を見て、 あまりの可愛らしさに心が揺れた。

「両親の、『ほら 可愛いでしょう。 どうか家族に迎え入れてあげてちょうだい』という思いも伝わり決心しました」

2014年7月、2匹を家に連れてくると、最初は怖がってそばに来てくれず、近寄るとシャーと威嚇してきた。用意していたトイレにはすぐに入り、用を足してくれた。

「初日の深夜は、私たちが寝ている間にリビングで色々探索活動をしていたようで、主人の結婚指輪がおもちゃになってしまったらしく、一時期行方不明になりました。 この指輪は後日無事見つかりました」

「とら吉」という名前は、キジトラ柄の男の子だったので夫が命名した。夫は2匹が家に来る前から義実家に行くと「どうする?とら吉、家族に迎える?」と 勝手に名付けてそう呼んでいた。

栗ちゃんは、赤ちゃん猫の時から3匹兄弟の中で一番目が大きく、目がくりくりな子だったので栗ちゃんという名前になった。

「和風の名前がいいと思っていたのですが、夫が、『なら、栗ちゃんがいいんじゃない?』と提案したんです」

やきもち焼きでお喋りな兄妹

とら吉くんは、 おしゃべりで甘えん坊な男の子。いつも自分のことを見ていて欲しいタイプだ。「そばにいて欲しい、かまっていてほしいと、どこに行っても後ろからトコトコついてくる。そして、「こっち見て!」「なぁ、抱っこしてー!」とよく喋る。

「 ご近所迷惑になりかねないレベルでよく鳴くので、深夜や朝は私たちに叱られることも多いです」

そして、とら吉くんはものすごいやきもち焼き。いつも栗ちゃんに対抗している。

「時々 こちらの表情を見ながら わざと意地悪してみせます。怒られたら『うにゃうにゃ〜』と逆ギレして文句を言いながら2階へ走って行ったり、 隣の部屋に行って暗い隅っこでしょげていたりします。 分かりやすくて単純な可愛い性格です」

栗ちゃんは、THE女の子!。 家に来た当初は大人しくてとら吉くんにされるがままだったが、 年々強くなり、とら吉くんに対しても強気。自分からケンカをふっかけることもある。

「今では家で一番のお姫様です。 昔は大人しくて 爪切りもさせてくれていたのに、今や一本たりとも切らせてくれません」

お父さんのことが大好きな栗ちゃん。「お父ちゃん、お父ちゃん」と、いつもお父ちゃんの愛を求めている。

「お父ちゃんが『くーちゃん』と呼んでくれるまで、 何10分でも石のように固まって待っています。 何がそんなにいいの? と思うくらいにとにかく お父ちゃんっ子です」

栗ちゃんも、とら吉くんと同じでよく喋る。 話しかけたら、ほぼ100%返事をしてくれるのも可愛い。

「 どちらも甘えん坊でやきもち妬き。そして、とにかくよく喋ります。子どものいない私たちにとって、彼らはもはや我が子です」

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