「生きていてくれて、本当によかった」ビニール袋に入れられ、捨てられていた姉弟猫…“幸せな大人にゃんこ”になるまで

古川 諭香 古川 諭香

活発な姉と温厚な弟。そんな性格は今でも変わらないものの、体格が大きくなったアールグレイくんはココアちゃんとじゃれ合う時、力と体格で圧倒するようになった。だが、その一方で、抱っこをおねだりする甘えん坊な時もある。

また、ちょっぴりドジな一面もあり、階段を踏み外したり、飛び上がり損なったりすることがあるのがアールグレイくんのかわいさだ。

対して、ココアちゃんは、あざとかわいい女の子。カメラのポージングや、おやつをねだる時の表情が巧みなのだそう。

「あと、寒がりなので、布団の中にそっと潜ってしまい、探しても見当たらなくて焦ったことが何度かあります」

活発で俊敏なココアちゃんは、何事にも機敏に反応。そのため、いつも、アールグレイくんより先にご飯をゲットしているのだとか。

性格は違うものの、2匹は大の仲良し。暑い時でも、一緒にスヤスヤと眠っている。

「ただ、アールグレイが寝ているところにココアが近寄った時は怒らないけれど、ココアにがいるところにアールグレイが近づくと嫌がることがあります(笑)」

2匹と暮らす中では、斑猫さん自身にもたくさんの変化が起きた。まずは、スマホのフォトフォルダーが猫にジャックされたこと。

「写真の8割以上が猫になりました。最初は中井さんへの報告も兼ねて、猫たちの写真をアルバムにしていましたね」

また、愛猫に健康でいてもらうために、自身の生活を整えるようにもなったそう。

「私だけだとズボラですが、猫たちがいることで生活にリズムが生まれました。夜更かししようとすると、猫たちに寝るよう、催促されます。面倒を見てもらっているのは、私のほうなのかもしれません(笑)」

「猫は呼んでも来ない」という概念も変えてくれた2匹はいつも、斑猫さんを交代制で見守っていてくれるそう。先代猫の死という心に空いた大きな穴は、2匹への愛で埋まったようだ。

なお、斑猫さんと中井さんには今でも交流があり、時々、連絡を交わすことも。縁を紡いだ中井さんは今、近所で暮らす家野良状態の猫たちを見て、責任を持って生き物の命を迎えることの大切さを痛感しているという。

「家野良状態の猫たちは、この半年で4匹が事故死しました。それでもまた子猫が産まれ、一定数は生きています。エサをやっている人物は、猫が死んだことを知りません。行政で何かできないかと思うばかりです」(中井さん)

救われる保護猫の裏には、ひっそり命を落とす猫が数多くいるという事実を、私たちは真剣に考え、小さな命と向き合っていく必要がある。

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