賞味期限間近の備蓄食品、なんとかおいしくいただけないか? 市民に配布され、誕生した絶品グルメとは…思わぬレシピが続出

山陽新聞社 山陽新聞社

 賞味期限の近い災害用備蓄食品が、ひと手間で絶品グルメに大変身―。フードロス削減を狙いに岡山大(岡山市)の学生が企画したレシピコンテストの入賞作品3点が決まった。最優秀賞はさっぱりとした味で夏にぴったりの「ほうじ茶とトマトジュースde冷汁風スープご飯」が選ばれた。

第4回の応募は41件

 コンテストは、データ分析やシステム開発を通じて地域の課題解決を目指すDS(データサイエンス)部が昨春から開いている。4回目の今回はトマト銀行(同市)から譲り受けたアルファ米とビスケットを市民らに配るなどして5、6月に公募。県内外から41件のレシピが寄せられ、学生が審査した。

 最優秀賞の「スープご飯」はアルファ米をほうじ茶でふやかし、トマトジュースと白だしで味付け。塩昆布、メンマ、レタス、ミニトマトを盛り付けた。火を使わずに手軽に作れ、活動に協力した銀行の社名にあるトマトを多く用いたことが評価された。

 料理が趣味という奈良市の渕元優佳さん(58)が考案した。インターネットでユニークな企画を知り「すてきな活動をする学生さんを応援したい」と毎回参加してきたそうだ。

 優秀賞の2点は瀬戸南高(岡山市)生活デザイン科3年生2人のアイデア。学校の授業の中で、駒坂妃女さん(18)はビスケットとチーズを交互に積み重ねトマト缶やコンソメなどで作ったソースをかけた「ラザニア」を、赤木裕美さん(17)は米の代わりに砕いたビスケットを皿に敷き、ホワイトソースとミートソース、チーズをのせてオーブンで焼いた「ミートドリア」を提案した。

 2人は2回目の応募で初の受賞。「コンテストを機に食品ロスについて考え、行動できた。同年代の人が面白い取り組みをしていて尊敬する」と駒坂さん。赤木さんは「家で余った食材を生かしたレシピも考えたい」と意気込む。

 DS部によると、コンテストはひとまず終える。地元企業や行政から届く賞味期限間近の非常食は引き続き市民らに配る。

受賞レシピはインスタで

 受賞レシピはDS部のインスタグラム(kanpan_dsc)で公開予定。日頃の食事に取り入れ、おいしく楽しくエコに取り組んでみてはどうだろうか。

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