子どもに野菜を食べてほしいが…メニューに苦心 完食を目指すファミレス5社がたどりついた、それぞれの最善策は?

太田 真弓 太田 真弓

ジョイフルは「好き嫌いを含めた食べやすさ」を意識

ハンバーグ、カレー、スパゲッティ、うどん、ピザなど子どもたちの「好き!」が並ぶ「ジョイフル」のキッズメニュー。主に主食となる8つのキッズメニューのうち、野菜が含まれているのは「キッズうどんプレート」のコーン・ほうれん草・小ネギ、「Joyチーズインハンバーグセット」のブロッコリー・コーンのみというシンプルさ!

 

株式会社ジョイフル社長室広報担当の木下さんによると、野菜に関してはできるだけ子どもが苦手ではないものを提供することで楽しんでもらえることを重視。それと同時に、「おこさまに野菜を食べさせたいという親の意向も世の中のニーズとして高いという認識はしておりますので、今後の開発における検討課題となります」と、対象年齢やボリュームも含めて、さらにブラッシュアップしていく予定だとか。

また、ほぼすべてのキッズメニューに入っているポテトフライについても「おこさまは野菜やそれ以外でも苦手な食べ物が比較的多い印象がありますが、そうした中でほとんどのおこさまが好んで食べられる食べ物であるため、キッズメニューには欠かせない食材と考えております」と教えてくれました。

幼児用だけでなく、小学生も意識したJoyシリーズのメニューをはじめ、デザート商品も多く、親子で味わえるメニューをお値打ちな価格で提供しているジョイフル。不定期にキッズメニュー半額キャンペーンなども開催しているのも主婦にはうれしい限りです。

「野菜のお残し率、ほぼ0」を目指すココス

あえてブロッコリーだけを加え完食を目指すココスは、「おこさまに喜んでいただくために、どのようなお料理なら食べたいか、またご家族がどのようなお料理なら食べさせたいかと考えながらメニューを考えております。また、せっかくの外食なのでお野菜が苦手なおこさまにも楽しんでいただける内容にしています」と、株式会社ココスジャパン商品企画部の今村さん。

おこさまメニューには、「包み焼きハンバーグ」をはじめ、看板商品のハンバーグをしっかりと食べられるプレートもあり、うどん・ナポリタンなどの麺類に4月からは子どもたちに大人気とされるラーメンも追加。こちらにはほうれん草とコーンが入っており、優しめの味付けが大変好評なのだそう。 

また、「低アレルゲン米粉パン」、「低アレルゲンおこさまドリア」、「低アレルゲンいちごアイス」といった低アレルゲンメニューの選択肢の多さも特徴的。さらに、子どもの食事情に合わせて「生後7カ月のおこさまからお召し上がりいただける離乳食、『おこさまうどんなどでは少し食事の量が足りなくなったけど大人向けのお料理はまだ早いかな』というおこさまにぴったりのお腹いっぱいメニューもご用意しています」と懐の深さが伺えます。

そして、ココスで嬉しいのがなんといっても商品を待つ間の塗り絵配布&クーピーの貸し出し。子どもたちが退屈しない様々な工夫にどれだけ助けられてきたことか! 加えておこさまメニューのライス大盛りが無料! さらに、ココス公式アプリ『ココウェブ』では、おこさまメニューのお得な半額クーポンを配信するなど、手厚いサービスが満載です。

バリエーションがとにかく豊富な和食さと

子どもたちの節目や季節行事にまつわる会食、子連れママ会ランチなど、様々なシーンで利用しやすい和食さと。バラエティ豊かなメニューから子どもの好みや年齢に合わせてチョイスでき、「『おこさまの外食デビューは和食さと』と決められて記念日としてご利用いただくなど嬉しく微笑ましいご利用も多くあります」と、さとフードサービス株式会社和食さとマーケティング部の山口さん。

直近では、丼と麺の好きな組み合わせが選べる「選べるお楽しみセット(ミニカレー&ミニラーメン)」→「おこさまランチ」→自分でおすしが作れるワクワク感たっぷりの「板前すしセット」の順で人気なのだそう(2023/4/1-5/31の商品販売状況より算出)。子どもや親からの支持率の高さがうかがえます。

子どもに好き嫌いがあることをふまえながら、栄養の偏りが出ないようなメニュー開発を心掛けつつ、「食事を楽しんでいただくために見た目も大切ですので、食材の彩りにも気を付けたり、食器や備品に和食さとのキャラクター“わっしょくん”のイラストを入れるなど、食べる前からワクワクしてもらえるような工夫もしています」と山口さん。

そして和食さとの特長といえば、キッズをはじめ幅広い世代が楽しめる商品とサービス&ゆっくりくつろげる空間。個室や半個室のお部屋では小さな子どもと一緒でも安心して食事を楽しめます(一部店舗ではお部屋・個室がありません)。

「さとキッズくらぶ」(0歳~小学生以下)への入会で、ドリンクバー毎回無料や来店スタンプ数によるオリジナルグッズプレゼント、誕生日のバースデークーポン発行など豊富な特典も見逃せないポイント。毎年決まったテーマに沿ってイラストを募集する「イラストコンテスト」の実施や、オフィシャルパートナーである「キッザニア甲子園」への招待等、年間を通して子どもを対象にした様々なイベントを開催しています。

少しでも食べてほしい…と野菜多めのロイヤルホスト

ロイヤルホストには、ハンバーグやオムライスなどの洋食メニューに、ポテト、カレー、ラーメン、パンケーキ…と子どもの大好物が並びます。特に「洋食おこさまプレート」2種は、大人メニューの本格的な味を子どもも味わえるとあって特別感は格別です。

野菜に関しては「洋食おこさまプレート」には、オニオンドレッシングを使用したサラダが。低アレルゲンメニューにもブロッコリー、コーンが添えられています。少しでも野菜を食べてほしいという思いから、特にプチトマトは半分に切ったり、小さくカットするなど食べやすい工夫を重ねておられるのだそう。 

「赤や緑色の濃いお野菜は栄養価が高いとされているところも考慮しています。それだけでなくおこさまに好まれるコーンも添えています」と、教えてくれたのはロイヤルフードサービスさん。

実際に親子を招き、継続的に人気メニューのモニター調査をしていたことや、健康志向から栄養バランスに留意したメニューを提供したこともあったそう。過去にはやきそば、スパゲティ、グラタン・ドリアなどがあったものの、家庭でも頻出していたり、やけどの危険性回避のためなどからレギュラーメニューではなくなったそうです。

「外食はご家庭とは違う雰囲気の中で楽しく美味しくお召し上がりいただくことが一番。おこさまに人気のメニューを取り揃えながらも、ちょっとした野菜をプラスする方向にし、現在のメニューに至っております」

ロイヤルホストといえば、他のファミレスと比べてもやや高級なイメージがあり、家では到底再現できない美味しい洋食とホスピタリティを味わえる「とっておき感」があるのも魅力の一つ。子どもにも大人と同じお皿で、ナイフとフォークを使っての食事の楽しさやマナーも体験していただきたいという姿勢もそこから。あらゆる食のシーンに寄り添い、“美味しさ”と“おもてなしの心”を届けるという信念が伝わってきます。

びっくりドンキーは「野菜に挑戦するキッズたちを応援!」

前述の「もぐチャレ」等、子どもに対してユニークな取り組みを実施中のびっくりドンキー。対象となるメニューは、キッズメニューのみならず、デザート・飲み物・みそ汁・スープ以外の全てのお料理。親からしてもありがたいチャレンジであり、SNS上では「もぐチャレ」に挑戦するキッズたちの投稿もしばしば見られます。

もちろん、キッズメニュー自体に関しても継続的に開発に取り組まれて、株式会社アレフ広報担当の渡邊さんによると、キッズメニュー人気No.1「ぶ~ちゃんのおこさまランチ」の野菜は、2~3年周期で変わっているそう。

「ほうれん草とコーン→枝豆とマカロニサラダを経て現在のブロッコリーとミニトマトとなりました。栄養バランスを考慮するのはもちろん、おこさまを持つ従業員の声などを参考にしつつ、食べやすさなどを意識した商品改善を行い、内容変更しています。もちろん、苦いものや辛いものなどは避け、子どもが明らかに苦手な野菜は使用しないようにしています」と、常に子どもと親の気持ちを考え、完食を目指せるメニュー内容の選定を行っていることが伺えます。

「おこさまが苦手な食べ物に挑戦することで、お家のごはんや給食でも残さずに食べきろうという意識が高まります。『残してはダメ』より、『頑張って』や『よく食べたね』と前向きな声を掛けてくだされば、おこさまも一生懸命に食べようとします。その結果、食育にも繋がり、食品ロスも減り、社会課題の解決にも貢献できるのではないでしょうか。残さず食べる喜びを提供する『もぐチャレ』に、ぜひチャレンジしてみてください。」

びっくりドンキーでは、「もぐチャレ」の他にも、「スマホでWEB来店予約」も一部店舗で実施中。順番待ち予約で、待っている間に移動できるため、おこさまを連れての待ち時間がスムーズです。「もぐチャレ」は、タブレット型オーダー店舗(約80店)ではタブレットから参加ボタン&完食ボタンをタップ、その他店舗(約250店)では「もぐチャレします!」とスタッフにお声がけを。

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子どもを育てていく中で「食」にまつわる悩みは尽きないもの。とりわけ外食に関しては、食べるかどうかもお店に入った時の子どもの機嫌や眠気のタイミングに左右されることもしばしば。アレルギーがあれば、対応食やアレルゲン情報を確認することが日常ですし、外食そのものを検討することになります。子どもの食の進み方や好みは十人十色であり、連れて行く親御さんたちの思いも様々です。

そんな子連れの多様なニーズに応えるべく様々なメニューやサービスで迎えてくれるファミリーレストランは、外食における本当に心強い存在。ぜひシーズンごとにチェックしてみてはいかがでしょうか。

【ファミリーレストラン関連情報】

■ファミリーレストラン ジョイフル
1979年大分県に1号店を開店。「私たちの街のレストラン」として全国約630店舗を展開。3歳以下のおこさまはドリンクバー・スープバー無料。ほとんどのキッズメニューにえらべるおもちゃが付く。アプリによるクーポンやスタンプカードなどの特典も。低アレルゲンメニューあり。
・公式HP https://www.joyfull.co.jp/

■ココスファミリーレストラン
1980年創業。「食を通して世界中の人々の幸せを創造していく」というビジョンの実現に向け、47都道府県約550店舗を展開。3歳以下のおこさまドリンクバー無料。おこさまメニューは、おまけ「ラスカルマグネット」ありorなしのチョイスが可能。小学6年生までバースデーサービスとしてデザート&ココスオリジナルラスカルグッズのプレゼントも実施。離乳食あり(生後7ヵ月~)、低アレルゲンメニューあり。
・公式HP https://www.cocos-jpn.co.jp/
・公式Twitter https://twitter.com/cocos_campaign
・公式アプリ https://coco-web.jp/introduction
・ココスのテイクアウト https://rsv.cocos.jp/

■和食さと
1985年和食さとの原型となる郊外型和食第1号店を奈良県橿原市に開店。団らんの時間をより楽しくちょっと特別に過ごせる和食ファミリーレストラン。アプリでクーポンやお得な情報を随時配信中。
・公式HP https://sato-res.com/sato/
・公式Instagram https://www.instagram.com/wasyoku_sato
・公式Twitter https://twitter.com/washoku_sato_PR

■ファミリーレストラン ロイヤルホスト
1971年福岡県北九州市に1号店をオープン。創業以来、家庭では味わえない美味しさと、安全・安心な“食”の提供に向き合う。バジーちゃんのイラストや、おもちゃ、ドリンクバー(3歳以下無料)やおこさま用デザートなど「たのしい」「おいしい」食の体験を提供中。アプリによるお誕生日特典なども。離乳食あり(生後7カ月~)、低アレルゲンメニューあり。
※キッチン内通常調理器具を使用し、店内で洗浄した食器に盛りつけいたします。
※症状の重篤なかた、過敏なかたはご注意ください。アレルギー物質一覧表をご用意しております。
※低アレルゲンメニューは、アレルギー症状が発生しないことをお約束するメニューではありません。
※一部店舗では取り扱いのないメニュー、価格が異なるメニューがございます
・公式HP https://www.royalhost.jp/

■ハンバーグレストランびっくりドンキー
1968年岩手県盛岡市にハンバーガーとサラダの店「べる」を創業。全国45都道府県に342店舗(2023年8月8日現在)を展開。木の皿にハンバーグ・サラダ・ライスを盛り付けたディッシュメニューでおなじみ。卵アレルギー対応食であるプチうどん・おこさまカレー・おこさまスパゲティは、アレルギーの有無に関わらず美味しいと思ってもらえるよう開発した自信作。乳・小麦・卵を使わないハンバーグメニューあり。
・公式HP https://www.bikkuri-donkey.com/
・おこさま連れ向けのびっくりドンキーページ https://www.bikkuri-donkey.com/lp/kids/
・株式会社アレフのSDGsページ https://www.aleph-inc.co.jp/csr/moguchalle/

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