SNSでは、外食先で「もっと栄養素を考えてバランス良いものを子どもに与えたい」「知らないものは一切食べてくれない、食べてくれるだけでありがたい」と悩む親の気持ちが度々話題に。そんななかで重宝するのが「ファミリーレストラン」ではないでしょうか?
ハンバーグ、ポテト、唐揚げ、うどん、カレー、白ごはん、ゼリーなど「子どもたちが好きなもの」が並び、中には野菜なしで子どもが好きなものに振り切るメニューも。
子どもがどうしたら完食してくれるのか悩んだ各社が、いかに現在のメニューにたどりついたのか…ファミリーレストラン5店(ジョイフル、ココス、和食さと、ロイヤルホスト、びっくりドンキー:順不同)にお話を聞きました。また、最後に各社キッズメニューや特典など、主婦ライターから見た魅力もご紹介します。
各社の野菜事情…共通するのは子どもたちに「楽しくおいしく完食してほしい」
●ジョイフルの場合
まず、潔いほど野菜を含んでいないのが「地域で一番安価で一番身近なレストラン」を目標に掲げるジョイフル。
「お子さまはご家族で食事をする上では多くの場合主役であり、そうした意味で食べられるものがない、食べたいものがないという状況を極力なくせるよう親御さんの声も聞き、過去の販売商品の実績も考慮しながらラインアップを検討させていただいております」(株式会社ジョイフル社長室広報担当の木下さん)と、わかりやすく子どもが好きなメニューだけをメインにしています。
●ココスの場合
おこさまメニューの大人気商品「おこさまハンバーグ&エビフライプレート」に、あえてブロッコリー1つを加えているのが「食を通して世界中の人々の幸せを創造する」をビジョンとしているココス。
なぜブロッコリーなのかと訊ねると、「おこさまでも比較的食べやすいと思われるお野菜をチョイスしています」とのことで、野菜のお残し率を伺ってみると「ほどんとございません」(株式会社ココスジャパン商品企画部の今村さん)とのお返事が!あえて一つだけにすることで、野菜もちゃんと完食したという満足感も生み出しているようです。
●和食さとの場合
バラエティ豊富なラインアップの中でも、野菜を使うメニューをしぼっているのが和食さと。
レタスやトマトなど目立って見られるのは「おこさまランチ」のみです。「緑黄色野菜の使用をあえて控えているわけではないのですが、一般メニューで使用している野菜の食材とも調整しながら、おこさまが美味しく楽しくバランスの良い食事をしてほしいという思いで、最後まで食べられるようなメニューを考えて商品設計しています」(さとフードサービス株式会社和食さとマーケティング部の山口さん)。現在、多くのお子さまが野菜を残さず食べてくれている印象だそう。
●ロイヤルホストの場合
そして、今回のなかでは、どのプレートにも野菜(ブロッコリー、コーン、プチトマトなど)を盛り込んでいるのがロイヤルホスト。
「全体的なボリュームとバランスを考え、メニュー開発をしております。ポテトやからあげといったお子さまがお好きなメニューと同じお皿に添えることで『一緒にこっちのお野菜も食べようね』などと会話が生まれることも期待しています」(ロイヤルフードサービスさん)と、野菜を食べることを意識したメニュー開発に力を入れておられる様子です。
●びっくりドンキーの場合
また、子どもたちの「野菜が苦手・完食をあまりしない」というのを逆手にとった企画を行っているのが、びっくりドンキー。
小学生以下の子どもが完食すると様々なサービスを受けられる「もぐチャレ」です。「ぶ~ちゃんのおこさまランチ」にはブロッコリー・プチトマトが。「キッズディッシュプレート」各種にはびっくりドンキー定番のディッシュサラダ(大根メインにレタス・人参・プチトマト)がしっかりと入っています。
「1店舗当たり1日に平均5名がチャレンジし、平均1.5件プレゼントを提供しており、好評です。『食事中、立ち歩いていた子どもが、家で食べる時に集中するようになった』『苦手なトマト、野菜を食べられるようになった』との嬉しいお声も届いております」(株式会社アレフ広報担当の渡邊さん)と、ご褒美や応援はやはり効果があるのですね。
どのファミリーレストランも、試行錯誤を重ねながら、いかに子どもたちに完食してもらうか…と親と同じように悩んでくれていることが伝わってきました。それぞれの思いやコンセプトが、しっかりとメニュー構成に反映されていました。
では、ここからは各社キッズメニューへの並々ならぬ思いを紹介していきます。思わぬサービスやキャンペーンなども実施しているので、外食されるときのご参考に!