12億の豪邸売却し製作費の足しに 平成のVシネ帝王・竹内力が還暦前に大勝負 「欲望の街シリーズで配信の帝王に」

石井 隼人 石井 隼人

「移り変わりの激しいこの時代に“配信の帝王”になれるのかどうか、興味があった」。平成のレンタルビデオ市場を席巻した“Vシネマの帝王”こと竹内力(59)が、還暦を前に賭けに出た。12億円ともウワサされる7LLLDK豪邸を売却しての大勝負である。

『欲望の街』シリーズ始動

竹内主演で全64作品が製作されたモンスターシリーズ『難波金融伝 ミナミの帝王』から15年。竹内力主演&プロデュースの完全オリジナル新シリーズ『欲望の街 No.1 報復への道』(7月26日から)、『欲望の街 No.2 闇のフィクサー』(8月2日から)がU-NEXTで独占配信される。

9年の刑務所生活を終えた鮫島竜士(竹内)が向かった先は、ネオンきらめく欲望の街ミナミ。不正を働く巨大な権力に対して法律を武器に立ち向かいながら、自分を陥れた黒幕への報復を誓う…。『欲望の街』というタイトルは、かつて竹内が歌った『難波金融伝 ミナミの帝王』主題歌からインスパイアされている。

ファンの声に背中を押されて

製作のきっかけは、竹内が昨年頃から始めたSNS。開設と同時に届いたのは『難波金融伝 ミナミの帝王』復活を望むファンからの熱い声だった。「あのシリーズが終了して15年も経っているのに、いまだにそんな声があることに改めて驚いた。これだけの月日が経過しているけれど、やるべきなのかもしれないと思った」と背中を押された。

ただの焼き直しでは芸がない。自身の映像製作会社RIKIプロジェクトで一から新たなシリーズとして生み出すことに決めた。「新しく作るからにはあのシリーズを超えなければいけないし、最低でも同じレベルのものにしなければいけない。しかも今はレンタルビデオではなく配信の時代。かつて“Vシネマの帝王”と呼ばれた俺が、移り変わりの激しいこの時代に“配信の帝王”になれるのかどうか、興味があった」と打ち明ける。

派手にいこうぜ!

劇中で竹内が運転する外車は、日本に3台しかないという私物のアストンマーティンV12 ヴァンテージの限定車。身に着けるド派手な原色スーツも細部にまでこだわってオーダーメイド。札束も豪快にさばく。令和とは思えぬバブリー感には、竹内の現代社会に対する切なる願いも込められている。

「コロナ禍の影響なのか、みんなが守りに入って日本中に閉塞感が漂っている。そんな時代に『欲望の街』をバブリーな刺激物として与えて社会を活気づけたい。人生は一度きりだから、みんな元気に派手にいこうぜ!」と呼び掛ける。

最後にひと花咲かせる

竹内は俳優のみならず、映像製作会社の代表という顔も持つ。1997年の会社設立以来、自身の主演作はもちろんのこと、オダギリジョー監督作『ある船頭の話』や阿部サダヲ主演の『死刑にいたる病』などの話題作にも関与してきた。

そして還暦目前の今、『欲望の街』を俳優・竹内力としての新たな代表作にしようと決意した。34歳の頃に12億円で購入した7LLLDK豪邸を売却した理由の一つも「今後のRIKIプロジェクト製作の映像作品の資金を潤沢にして、撮影環境や作品の質を高くするため」だという。

「これまで俺はチャレンジャーとして生きてきて成功もしたし、失敗もしてきた。ならばここでまた大きな勝負をしてもいいのかなと。70歳くらいまで鮫島竜士を演じていきたいとは思うけれど、本数ではなくて満足させる中身で勝負したい」と展望を明かしながら「このシリーズ化で自分の俳優としての終止符を打ってもいいと考えている。最後にひと花咲かせるために」。竹内は新たな欲望をたぎらせている。

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