言葉遣いひとつでずいぶん印象が変わるものですが、「〇〇せよ」とか「〇〇しろ」というのは明らかに命令する言葉です。では、「〇〇なさい」はいかがでしょうか。文化庁によると、「〇〇なさい」は敬語のひとつで、「おかけなさい」など、年齢も社会的立場も上の人が自身の品位を保つために使う言葉なのだそうです。
しかし、原宿さん(@haraajukku)のお子さんは、ドリルの「なさい。」を全て「てね。」に変えてしまいました。その様子を原宿さんは、
「娘がドリルの問題文の『なさい。』という言い方が気に入らなくて全部『てね。』に直すという作業を始めていて、『いいぞ!』と心がおどった」とツイッターに投稿。あっという間に「いいね」は15.7万件にもなりました。
圧倒的に多かった意見は「問題文が威圧的だ」というもので、
「小学校から中学校に上がって問題文全般がいきなり威圧的になってつらかった思い出があります。」
「うちも『なんで、なさい、って怒って言うの?』ってこれ見ると涙目になります…。気になっちゃうんだね」
「問題文、これから更に中学になると『求めよ』とか『言え』とか更に偉そうになるからなぁw」
「『求めなさーい』『書きなさーい』と、長音を挟むのもおすすめです。」
などたくさんのリプライが寄せられました。
原宿さんはどう思われたのでしょう。お話を伺いました。
ーーお子さんは何年生ですか。
「小学校1年生です」
ーー「なさい」についてはどう思われますか。
「『なさい』は尊敬語ではあるみたいですね!だいたいこんな書き方だとは思いますが、テストや先生の方にも命令してるつもりはないのかもしれないです」
ーー学校でも先生の言葉遣いは上から目線ですか。
「自分の行っていた頃の小学校とは比べ物にならないぐらい、皆さん人当たりよく親切です。おかげさまで生きております。」
ーーお子さんをほめてあげましたか。
「『面白いね』と言ってしまったのですが、ほめちぎってしまうと一回一回これをやってテストの時間がなくなっちゃいそうなので、あまり言わないようにしています。何事にも良い面と悪い面がありますね…」
ーー出題者は優しい言葉を使った方がいいのでしょうか。
「『メールは優しいけど、実際会うと怖い』みたいな人もいるので、あまり表面的な言葉の優しさを気にしすぎるのも意味がない気がします。『いいぞ!』というのは、彼女の中に現実を自分なりに楽しくやり過ごしていくパワーが生まれていることに対してで、問題文が高圧的とは僕個人はあまり感じたことはなかったですね。でも優しく言われたほうが成績が伸びた人も実際いたかもしれません」
ーー他に思われることは?
「共感する意見も否定的な意見もあり、『みんな、生き抜いてきたんだな!』と感じました。これからも生き抜きましょう!」
実は、Webメディアの編集長をしている原宿さん。言葉の表層的な意味よりも、お子さんのどんなことも楽しんでしまう、そんな大らかさに「いいぞ」と思われたのですね。結局、それが生き抜く力になるのです。