神戸市「アカミミガメ5匹捕獲で1万円」→狂喜乱舞&勘違いする人続出「近所に山ほどおる」「一攫千金や!」

金井 かおる 金井 かおる

 「外来種アカミミガメ、神戸で5匹捕まえたら1万円 市が捕獲団体募り、活動に助成 昨年は953匹」ーー神戸新聞の電子版「神戸新聞NEXT」が6月21日早朝に配信した記事が、ネット上で大きな話題となっています。

 記事は、神戸市内で数を増やしている外来種アカミミガメの防除活動を支援する「神戸市自然環境保全活動補助事業」を紹介したもの。補助金として、通年の防除数0~5匹で1万円、6~15匹で2万円、16~25匹で3万円、26~35匹で4万円、36匹以上で5万円が支払われるという内容です。

 金額を見たネットユーザーらは「5匹で1万?やるやる!」「5匹とか余裕やろ」「神戸へ出稼ぎに行きたい」などと鼻息荒く、今にも捕まえに行きそうな勢い。しかしちょっと待って。これ個人じゃなくて団体の募集なんですよ。

ママ友グループ「近所に山ほどおる!」「やるやる!」

 神戸市西区在住の主婦は「カメ5匹を市に持って行けば1万円がもらえる」と早とちり。近所のママ友で作ったグループLINEに情報を共有しました。メンバーは「近所の池に山ほどおるんやけど!」「1万円もらえるの?」「お小遣いになるー!」「やるやる!」などと大盛り上がり。しかし途中でメンバーの一人が気付きます。「これ団体募集やん」。カメ5匹で1万円の夢は一瞬で消えました。

 これまでに誤って個人で応募した人はいるのでしょうか。

 神戸市環境局自然環境課に尋ねると、「間違えて個人で申し込みをされた方はいませんが、個人で申し込みができるかというご質問は受けており、『5名以上の営利を目的としない団体で神戸市内に拠点があることが要件』とお伝えしております」。

 ネットユーザーの中には「一攫千金や!」「1000万円ぐらい稼げそう」と投稿する人もいましたが、「年間で交付される補助金は合計5万円が上限です」。

 「アカミミガメ防除活動に係る補助金は、神戸市内に拠点がある、5名以上の営利を目的としない団体です。活動拠点は神戸市内の河川やため池等で、事前に活動場所の地権者や管理者等に承諾を得たうえで申請ください。また、効果的な防除活動になるよう、専門家の指導による活動場所での防除講習を受けていただくことも補助金を受ける要件となります」(神戸市担当者)

 現時点での申し込み件数は14件(23日午後1時現在)。

 「現在、問い合わせが殺到していることから、募集団体数に到達し、急きょ募集を締め切ることがありますことをご容赦ください」(神戸市担当者)

 詳細は神戸市ホームページの自然環境保全活動補助事業のページに掲載の「募集要領」「募集要項」で確認を。

持ち込んだあと、アカミミガメはどうなるの?

 募集要領を読むと、アカミミガメを持ち込む際は「原則として生きたまま」とあります。ネット上でも多かったのが「持ち込んだあとはどうなるの?」という疑問です。

 「防除活動にて捕獲したアカミミガメは、環境省の『アカミミガメ防除の手引き』に則り、冷凍処理しています。今後、アカミミガメを堆肥として活用する等の有効活用も検討していきたいです」(神戸市担当者)

アカミミガメってどんな生き物?

 環境省によると、アカミミガメの原産地は、米国東南部からメキシコまで。大きさは、最大背甲長雄20cm、雌28cm(2.5kg)。

 日本には1950年代後半から、幼体がミドリガメの通称でペットとして輸入され、1990年代半ばの輸入量は年間100万匹にまで上りました。

 「ペットとして飼育されていた個体が野外に放たれることなどにより、北海道から沖縄まで全都道府県に分布。在来のカメ類と餌や日光浴場所等を巡って競合し、定着地域では在来のカメ類や水生植物、魚類、両生類、甲殻類等に影響を及ぼしていると考えられる」(環境省ホームページより)

 全国の世帯における飼育数は約110万世帯で約160万匹と推定されています(2019年現在)。

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