「めっちゃ睨んでくる、このバスの運転手」よく見ると…えっ猫!?「絶対あおり運転できない」迫力の理由は…野良猫時代の悲しい経験

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

「めちゃくちゃ怖い…めっちゃ睨(にら)んでくる…このバスの運転手」というつぶやきと共に、たにゃ(@kabukinoraneko)さんがTwitterに投稿した写真が話題になりました。

そこに写っていたのは、黄色いスヌーピー・バスの中からこちらをにらんでいる、猫運転手の姿。猫ちゃんがバスの中からにらんでいた理由について、飼い主さんにお聞きしました。

「リヴァイ兵長⁉︎ 」「タダで済まない気が…」

「こ、こ、こわい」
「タダでは済まされない気がします…」
「何かに似てると思ったらリヴァイ兵長」
「絶対このバスに煽り運転できませんね」

こんな楽しいリプライが殺到したのは、推定年齢10歳以上になる元野良猫の男の子、たにゃちゃん。たにゃちゃんは2022年9月に保護猫ボランティアに保護されるまで、東京、新宿にある日本一の歓楽街、歌舞伎町の片隅でひっそりと生きていました。

運転手は歌舞伎町で暮らしていた元野良猫

歌舞伎町時代、大きな音や人間に怯え、ゴミを漁り泥水を飲んで生き延びていた、たにゃちゃん。当時ガリガリだった身体はふっくらとし、険しかった顔つきも少し柔らかくなりました。

そんなたにゃちゃんがなぜ、スクールバス型のペットベッドの中から、飼い主さんをにらんでいたのか?「車内で騒ぐと降ろされますよ」「ぼったくりにあいますよ」と、楽しいツイートをしていた飼い主さんに詳しく伺いました。

雨の日にバスに乗るのは「野良猫時代の習性」

ーーたにゃちゃん、最近は表情も柔らかくなったのに、なぜバスの中からにらんでいたのでしょう?

「この時、飼い主が廊下で立ち食いをしていたんです(笑)。なんか視線を感じたので見てみると、たにゃがすごい不機嫌そうにこっちを見ていて。僕だけが食べていることに怒っているのか、雨だったのに僕がウロウロしていることに怒ったのか……。基本、雨の日はご機嫌ナナメっぽいんです。そして雨の音が聞こえると、決まってこのスヌーピー・バスの中に隠れるんです」

「飼い主もバスに乗れ!濡れるニャ!」

ーーこの黄色いスヌーピー・バスはたにゃちゃんのお気に入りだそうですが、なぜ雨の日はバスの中に隠れるのですか?

「野良猫時代の習性なんでしょうね。部屋の中でも濡れないようにって。で、自分(たにゃ)は中で雨宿りしてるのに、お前はなぜ外でウロウロしてお菓子食べてるニャ?お前もバスに乗らないのか?雨に濡れるニャよ?って感じですかね」

ーー飼い主さんが心配でにらんでたんですね。確かに、野良猫は雨で身体が濡れて体温が下がると命取りですもんね……。撮影後もたにゃちゃんはしばらくにらみを利かせていたのですか?

「はい。しばらくずっと、立ち食いしている僕を見てにらんでました」

◇ ◇

家猫暮らしに慣れた今も、過酷だった野良時代の経験を覚えている、たにゃちゃん。にらんでいたように見えたのは、飼い主さんという大事な家族を守るべく、「雨の日は濡れない場所に隠れる」いう、生きる知恵を伝えるためだったのかもしれません。

飼い主さんはそんなたにゃちゃんとの暮らしを、詩情あふれる文章と写真で日々ツイートしています。そんな2人の男同士の友情の物語が近々、一冊のフォトエッセイになるそうです。

「たにゃが歌舞伎町で一生懸命生きていた時の姿から、保護、現在、そして僕たちが目指している未来を、写真と言葉で綴る予定です」(たにゃちゃんの飼い主さん)

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