猫でアニマルセラピー
しめじくん(5歳・オス)は多頭飼育崩壊の現場から保護された。
東京都在住のMさんの夫は、うつ病になり家に引きこもっていた時、岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」をしょっちゅう見ていた。後日、猫カフェに行って実際に猫と触れ合ってみたら、癒されたようだった。
「その日の夜、猫がアニマルセラピーになるかもしれない、飼ってみてはどうか、と聞いてみたら乗り気になったので、その1週間後、2019年9月には保護猫カフェに行き、しめじを飼うことを決めました」
幸せにするつもりが、幸せにしてもらった
Mさんの夫は、猫じゃらしで元気いっぱい遊んでくれたので気に入ったようだった。Mさんも、初めて会った時、何より元気な子だなと感じたそうだ。しめじくんを家に連れてきてもらうと、カチカチに身体を強張らせて震えていた。ケージが地震みたいに小刻みに揺れていたという。
「でも、お腹を触らせてくれて、ふみふみを始めたので大丈夫そうだと思いました」
秋に来た子なので、楓とか色々な名前を考えたが、きのこ類のしめじが夫にはピンと来たようだった。
「性格はとにかくビビりで、大きな音がするとすぐ逃げます。あと、ごはんに対する執着がすごくて、腹時計が正確。決まった時間に催促に来ます。好きなことはひも遊び。糸からロープまでひもというひもが大好きで、ゼーゼー言うほど追いかけ回します!最近は模造紙のガサガサ音も好きで、いつも模造紙に座って音を楽しんでいます」
しめじくんが来て間もなく、Mさんは骨折して不自由な生活をしていた。
「主人が自分がしっかりしないといけないと思ったのか、私としめじのためにいろいろ頑張ってくれるようになりました。保護猫を幸せにするつもりが、幸せにしてもらったような気がします。しめじには、あなたに会えて幸せです。末長く元気でいてねと伝えたいです」