小麦ちゃん(2歳・メス)は、幼稚園の園庭にいたところを保護された。その日は卒園式。誰かが小麦ちゃんが園庭にいるのを見つけたが、母猫が迎えにくるかもしれないと、しばらく様子を見ることになった。しかし、母猫はお迎えにこなかった。どうやら母猫が引っ越しをする時に落としていった子のようだった。
当時、生後一週間くらい。群馬県在住のKさんの娘さんは、その幼稚園で教諭をしていたのだが、カラスも飛んできたので小麦ちゃんを保護したという。
「だいぶ弱っていて動かなかったそうで、娘から『看取りのつもりで連れて帰っていい?』電話がありました。娘の帰宅後子猫を見たのですが、小さくてまだ目も開いていない。ミルクを飲ませるところから育てないといけない赤ちゃん猫でした」
Kさんは、小麦ちゃんを動物病院に連れて行った。
「ミルクから育てたことがなかったし、世話をする時間の余裕もなかったので、動物病院で預かってくれないかと頼みましたが、預かれないと断られました。なかなか野良猫の子猫を見てくれる病院はないと聞いていましたが、こういうことかと思いました」
甘えん坊の元気な猫に
病院の待ち時間にSNSでミルクボランティアを探したら、高速で1時間半ほど走ったところに預かってくれる人がいた。Kさんは夫と共にミルクボランティアのところに向かった
「順調に育ったとして、その後、里親さんを探してもらうか、うちで引き取るかという話になったのですが、うちで迎えることにしました。ちょうど1ヶ月前に、麦という名前の老猫を亡くしたばかりだったのですが、その子の生まれ変わりかもしれないと思ったのです。だから、名前は小麦にしました」
2ヶ月後に小麦ちゃんを迎えに行くと、大きくて元気で可愛い子猫になっていた。
「保護した時とは全然違う姿で、今では我が家で一番のおデブちゃんです(笑)」
毎日Kさんと一緒に寝る小麦ちゃん。Kさんが起きるまでずっと寝ているという。
「私の体調が悪くて寝ている時もずっと一緒です。お風呂の時も洗面所で待っていてくれる甘えん坊です」