スーパーマーケットやドラッグストアなどのレジ横には会計後の商品を詰める台があります。名称は「サッカー台」。しかしこの名前、あまり知られていないようなのです。弊サイトが先日、サッカー台の話題を取り上げたところ、読者から「あの台、サッカー台って言うんだ」「初めて聞いた」「台と呼んでた」「作荷台の間違いでは?」「スポーツのサッカーとは関係があるのか」など、多数のコメントが寄せられました。由来は。スポーツとの関係は。調べてみました。
「作荷」は辞書に載ってない?
食品包装資材専門商社でスーパーの売り場に詳しい「折兼」(本社、愛知県名古屋市西区)は、フードビジネスの用語集を自社サイト内で公開しています。サッカー台の解説もありました。
「サッカー台とは、スーパーなどで、購入者が会計後の商品をレジ袋やマイバッグに詰めるときに使う台。英語のSacker(リュックサックのsackにerが付いたもの)から作荷という造語ができ、別名で作荷台ともいう」(折兼公式サイト内「用語集」から引用)
Sackは袋の意味。そこに「〜する人」を表す「er」がついてSacker。海外のスーパーなどではレジにいる袋詰め係の店員のことを指すこともあります。
読者の疑問にあった、スポーツの方のスペルはsoccer。サッカー台とスポーツは無関係のようです。
ちなみに一般の辞書では。
「広辞苑」には、スポーツのサッカーの説明はあっても、台を意味するサッカー、サッカー台はありませんでした。
「現代の生きた日本語がわかる」と評判の「三省堂国語辞典(第八版)」には「商品をふくろづめにすること/人」と説明があり、使用例として「スーパーでのサッカーのバイトをする、サッカー台」が紹介されています。
では造語とされる漢字の「作荷」は。
主だった辞書をいくつか当たりましたが、どの辞書にも「作荷」の項目はなし。
しかし量販店や道の駅などでは、台の周辺に「作荷台はこちら」「作荷台としてお使いください」などのポスターを掲出するところがあります。また2022年には、大阪府とドラッグストアの包括連携協定の締結を知らせる文書の中で「作荷台」という表記が使用されました。
「サッカー台は荷物を作るから作荷台」。最初にこの漢字を当てた人のセンスには感心させられます。もっともっと浸透したら、辞書に掲載される日が来るかもしれません。