公園に捨てられていた子猫を我が子に 目が開くかどうかわからなかったが、強い子に成長し、20年後も家族のアイドルに

渡辺 陽 渡辺 陽

公園に捨てられていた母子猫

ココアちゃん(20歳・メス)は、2003年5月、保護された。

新潟県に住むYさんの当時小学生だったお兄さんが、友人と公園でダンボールに入っている捨て猫の家族を見つけたという。母猫と子猫が6匹。幸い公園の近所の人や友人の中に保護できる人が何人かいた。子猫たちは順番に引き取られたが、それでもまだ残っていた。お兄さんはお母さんを呼んだ。
「大の猫好きの母に子猫を見せたら断れないだろうという策です(笑)。母が到着した時には3匹残っていました。2匹は兄の友人が引き取りましたが、最後に残ったのがココア。手のひらサイズで鍵しっぽ。目が開けられない状態の汚い猫でした」

Yさん宅には先住猫がいた。里親を探すにしても、ココアちゃんはとても汚かったので、一度きれいにしなければならなかった。
「でも、一度迎えたらもう我が子です(笑)。そのまま20年うちに居ます」

我が家のアイドル

ココアちゃんは、歯もまだ生えてない生後1、2週間くらいの子猫だった。まだ何も分からないというような感じで、全く怖がっている様子もなく騒ぐこともなく大人しくしていた。小さな声でぴゃーぴゃー鳴いていたそうだ。

目は、毎日拭いて薬を塗ってケアしたら、徐々に開くようになった。最初からは考えられないほどクリクリの可愛い目だった。まだ手のひらサイズの小さな子猫だったため自分で排泄ができず、排泄を促したり、シリンジでミルクをあげたりした。
「最初の、少しの間はお世話が大変でしたが、可愛すぎてそんな期間はあっという間に過ぎました。とても身体の強い子で、病気もせず元気に過ごしていました。ただ、子猫の間は噛みグセがすごく、凶暴女とあだ名をつけていました(笑)」

Yさんは、ココアちゃんの後にも何匹か保護猫を迎えているが、ココアちゃんはどの子とも円満に生活しているそうだ。今は亡き先住猫から家猫の流儀を学んだのかもしれない。

もう20歳になるおばあちゃんなので今は寝ている時間が長いが、しっかり歩いてごはんも食べて元気に暮らしている。湯たんぽを新しいのに変えると、両手を乗せて温かさを確認してから伏せた。
「公園にいた日、最後に残った1匹でしたが、今、最後に残っているのもココアだけです。奇跡の子だと思います。『5月には成人式をしようね』と家族で話しています。まだまだ元気に長生きしてほしいです。ココアはずっと我が家のアイドルです」

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